
睡眠改善プログラムの実施様子
パラマウントベッドはこのほど、東日本旅客鉄道(JR東日本)、ジェイアール東日本企画(jeki)と3社共同で、JR東日本が主催する「WaaS 共創コンソーシアム」の取り組みの一環として、JR東日本の社員を対象に、不規則な交代勤務における睡眠課題の改善に向けた実証実験を行った。その結果、特に睡眠カウンセリングを早期に実施した場合には、睡眠効率などの客観指標でも有意な改善が確認され、睡眠カウンセリングの有用性が示唆された。また、交替制勤務者でも簡便に導入・継続可能な睡眠改善手法の有効性を示す結果となった。
交替制勤務者は、不眠、過度の眠気、睡眠による休養感の低下といった問題を抱えやすく、特に運輸業では、安全確保の観点から睡眠の質が極めて重要である一方で、24時間社会を支えるために不規則な勤務が避けられず、十分な睡眠を確保しにくい実情がある。
こうした背景を踏まえ3社は今回、交替制勤務者でも実践可能な健康改善プログラムのあり方を検証するため、実証実験を共同で実施した。
実証実験は、昨年11月から今年2月まで、JR東日本の不規則な交代制勤務に従事する運輸関連社員を中心に男女計40人を対象に、パラマウントベッドが睡眠の可視化とカウンセリングによる行動改善を組み合わせた「睡眠改善プログラム」、jekiがオレンジページの協力を得て生活習慣の改善を通じて自律神経を整える「自律神経調整プログラム」を実施した。
また、対象者を
▽Aグループ(早期介入群):睡眠の主観調査および自律神経検査の4週間後に、睡眠カウンセリングおよび生活習慣アドバイス(食事改善、呼吸法・入浴習慣の改善、ストレス対処など)を実施。
▽Bグループ(遅延介入群):睡眠の主観調査および自律神経検査の4週間後に生活習慣アドバイスを実施し、さらに4週間後に睡眠カウンセリングを実施。
――の2グループに分け、比較検証を行った。
両グループともに、主観調査から8週間にわたり睡眠計測デバイスを装着し、睡眠状態を記録した。8週間後、再度主観調査を実施し、介入前後の変化を比較・分析した。
その結果、両グループともに主観調査で睡眠の改善が認められた。このことから、食事改善や入浴習慣の改善といった生活習慣の見直しによる自律神経調整プログラム単独でも一定の睡眠改善効果があると考えられた。
一方、カウンセリングの介入タイミングに関しては、Aグループではより早期に介入が行われたため、客観データでも中途覚醒時間の減少および睡眠効率の有意な改善が確認された。これにより、睡眠カウンセリングを組み合わせた睡眠改善プログラムの有用性が示唆された。また、全対象者における睡眠カウンセリングに対する満足度は98%と高く、90%が「また受けたい」としている。
さらに、両グループの全対象者で、業務の繁忙期に睡眠時間および就床時間が有意に短縮する傾向が認められた。その背景として、繁忙などの就業状況が睡眠に密接に関連している可能性が示された。
睡眠時間の減少は日中の眠気リスクの増加につながることから、マネジメントの観点においても対策が求められる。今回のプログラムでは、睡眠状態の可視化により参加者が自身の睡眠状況を客観的に把握できるようになり、睡眠改善に対する意識向上および行動変容につながる効果が確認された。
今回の実証実験は、不規則な勤務環境においても、睡眠カウンセリングや食事改善といった無理なく実践可能な生活習慣の改善手法の有効性を示す結果となった。
今後パラマウントベッドは、交替制勤務者が継続しやすい実践的なプログラムの開発・提供を通じて睡眠課題の解決に取り組んでいく。また、実証実験で得られた知見をもとに、対象者の拡大、長期的な効果検証、運用体制の確立を進めると共に、鉄道会社にとどまらず運輸業界全体への展開を目指していく。
さらに将来的には、不規則な勤務という共通課題を抱える他業界にも展開し、健康経営とウェルビーイング向上に取り組んでいく。
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