矢野経済研究所は国内の化粧品受託製造市場を調査し、現況、参入企業の動向、および将来展望を明らかにした。それによると、2025年度の化粧品受託製造市場は前年度比103.6%の3675億円となった。基礎的な化粧品需要をベースに、機能性化粧品やパーソナルな付加価値型化粧品分野が成長した。
市場概況によると、25年度の国内化粧品受託製造市場規模(事業者売上高ベース)は、前年度比103.6%の3675億円となった。
同市場は、発注先クライアントからの化粧品の新規・リニューアルオーダーの見込み発注などで25年度初頭は勢いづいたものの、物価上昇を含む消費マインドへの影響等により、店頭における化粧品販売が想定通りには振るわない状況が続いている。多様化する消費者ニーズに加え、通信販売やECチャネルの台頭、韓国コスメをはじめとした海外化粧品の流通拡大などを背景に、販売チャネルや製品の分散化が進行。2025年度も化粧品メーカーや小売り各社は、化粧品の実需とのずれで生じる在庫滞留を避けるべく、適正な在庫管理の観点から慎重な発注計画を進めている。
このような市況から、受託案件は中小ロットを複数にわたって発注する方式が増加しており、数量ベースの動きは総じて弱含みで推移。また、化粧品受託製造市場は原材料価格や物流・人件費等の複合的なコスト上昇要因の影響を受けており、発注先クライアントへの価格交渉を実施している。価格の上昇分を販売価格に転嫁するなど、参入企業の売上高ベースでの規模は拡大し、底上げ効果もあったことから、市場規模全体は前年度を上回った。
将来展望では、26年度の国内化粧品受託製造市場規模(事業者売上高ベース)を、前年度比103.3%の3796億円に増加すると予測した。同市場に関しては、国内の人口減少という構造を抱えながらも、清潔感や健康的な肌を保つための基礎的な化粧品需要に下支えされるとともに、エイジングケアといった高付加価値の機能性スキンケアや個人の髪質に合わせた高価格帯のパーソナルなヘアケア商材が多様なチャネルに展開されるなど、プラスの要因もあると指摘。また、男性用化粧品や女性特有の悩みに寄り添ったフェムテック発想の化粧品等、時代のニーズを反映した新たな分野も市場活性化に寄与するなど、その成長が今後も期待されると分析した。
一方で、大手小売りチェーンを筆頭に、韓国コスメの取り扱いやプライベートブランド(PB)製品の開発といった取り組みも活発なことから、日本製化粧品ブランドの棚落ちや化粧品受託製造企業への受託案件にマイナスの影響が生じることもあると予想した。
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