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処方情報を医療機関と患者が共有‐海南市で実証実験開始へ

2010年5月6日 (木)

 処方等の情報を医療機関と患者が共有する試みが、10日から和歌山県海南市でスタートする。仕組みは、いわばお薬手帳の電子サービス版で、「Web処方歴」と名付けられた。患者の同意を得た上で、処方内容や使用しているOTC医薬品をサーバに登録し、共有化を図る。患者の服薬状況は、事業に参加している別の医療機関も閲覧できるため、多科受診に伴う相互作用等のチェックができ、医療安全の向上につながると期待されている。また、患者にとっても処方医薬品等の情報を、パソコンや携帯等の端末を通じて簡単に入手できるというメリットがある。

図:Web処方歴の仕組み[PDF]

わみなカードのサンプル

わみなカードのサンプル

 海南市の試みは、厚生労働省が全国7地域で展開する「社会保障カード(仮称)の制度設計に向けた検討のための実証事業」として行われるもので、わかやま安心医療・社会保障カードコンソーシアムが事業主体となる。健康保険証、介護保険証、年金手帳を1つにまとめた「わみなカード」を、地域の健康カードとして発行すると共に、利用者には▽お薬管理(Web処方歴)▽健康管理▽診察券の登録(共通診察券)――などのサービスを付加し、地域医療連携を深化させたい考えだ。

 医薬品の管理は、Web処方歴によって行われる。患者が医療機関を受診して医師から薬を処方された場合、医師がiDCと呼ばれる海南市医師会サーバの患者マイページに処方データを登録し、共有化する。また、住民がOTC薬を購入して服用する際、住民自身が携帯カメラで製品のバーコードを読み取り、携帯端末からiDCに登録すれば、処方薬と同様に共有化される。

 患者は医療機関を受診した際、マイページにアクセスして内容を医師に提示すれば、医師はその患者が他の医療機関からどのような処方を受けているか、どのような一般薬を服用しているか確認できる。併用禁忌などを事前にチェックした上で、処方を決めることが可能になる。

 さらに住民も医療機関も、医薬品の写真や説明文書、添付文書等の情報を入手できる。提供される薬剤情報のデータベースは、薬事日報社の「FINE PHOTO DI PLUS」「OTC Drug Searcher」が使われる。

 医療機関や住民が実証実験に参加するには、事業への登録が必要。住民の参加登録は既に3月から始められており、4月初旬には約100人が登録し、わみなカードが手渡されたが、引き続き健保組合等にも参加を呼びかけている。医療機関は市内に約60施設あるが、参加の意思を表明したのは18医療機関。国の予算に基づく実証実験は、7月末で終了するが、コンソーシアムでは、わみなカードをそれ以降も継続利用できるようにする方針だ。

 なお、国による社会保障カードの実証事業は、海南市のほか、千葉県鴨川市、三重県名張市、島根県出雲市、香川県高松市、福岡県前原市・大野城市、長崎県大村市で展開される。実験では、社会保障カードの利便性や実用上の課題などを、各地区で共通的に検証すると同時に、情報連携基盤を有効活用できるサービスを、それぞれの地域が独自に付加して効果などを実証していく。




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