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遠隔医療拡大に対応し職能追求を

2018年2月23日 (金)

 今年4月からの診療報酬改定の目玉の一つとして、「オンライン診療料」(1カ月につき70点)が新設された。同点数は、対面診療とパソコンやスマートフォンなどのICT(情報通信技術)を組み合わせた診療に算定されるもの。

 医療の質を担保するため、対象は「特定疾患療養指導管理料」や「地域包括診療加算・診療料」などを算定する初診から6カ月以上経過した患者で、3カ月に1回の対面診療を必要としている。

 併せて、対面診療とICTを組み合わせた生活指導を点数化した「オンライン医学管理料」(1カ月につき100点)も新設され、遠隔医療拡大による在宅医療推進の流れは間違いなく加速するだろう。

 遠隔医療といえば、まず「離島やへき地の患者」が連想される。だが、交通の発達した都市部でも仕事や子育てに多忙な世代は、平日昼間の通院時間の確保が困難だ。また、高齢者の公共交通機関の乗り換えは、非常に負担が大きい。

 遠隔医療は、入院から在宅へのシフト、医師や看護師不足を補うための効率化や「働き方改革」のみならず、これら都市医療難民とも言える集団の受診障壁も取り払える手法として期待されている。

 遠隔診療は、高血圧症、糖尿病、脂質異常症、肥満、高尿酸血症など生活習慣病への活用が最もニーズが高いと考えられる。

 実際、東日本大震災被災地の高血圧管理や、一般企業従業員の特定保健指導対象者を対象とした血糖値の自己管理などで、ICTが有用性を発揮している報告は少なくない。また、皮膚科診断でも、効果を発揮していると聞く。

 IoT、AIを含むこれまでの活用事例では、診断においてはエクスメディオの臨床互助ツール「ヒポクラ」、各種ある外来遠隔診療のプラットフォームの中で高血圧治療において実績を積む「ポートメディカル」が挙げられる。

 さらに、急性期から慢性期まで切れ目のない医療を提供する織田病院(佐賀県)とオプティムの「在宅安心パック」や薬剤師が薬の宅配を行うミナカラの「おくすり宅配」など、ICTや新しい社会インフラに支えられた遠隔医療は現実になりつつある。だが、その一方で、遠隔医療の推進には「安価な通信インフラの構築」が不可欠であることも忘れてはならない。

 翻って、遠隔医療では、薬局・薬剤師にはどのような役割が求められのか。多科受診による重複投与や相互作用を防ぐための初回面談は不可欠だ。

 さらに、今年4月から「医師の指示による分割調剤」が認められるようになったが、定期的に患者の体調をチェックして処方提案することも重要な役割の一つになるだろう。

 今後、遠隔医療の拡大によって、患者は医療機関と薬局の物理的な距離よりも、「誰にかかりつけ薬剤師になってもらいたいか」という観点で薬局を選択するようになるのは間違いない。患者から選ばれる薬剤師になるための職能の追求が、生き残りの大きなポイントになるだろう。




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