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【薬局業務の効率化と質的向上を目指して】すずらん薬局本店(三菱電機インフォメーションシステムズ)

2019年07月31日 (水)

根拠に基づき副作用説明‐自発報告データベース活用

薬局長の高見氏。患者との対話に力を入れている

薬局長の高見氏。患者との対話に力を入れている

 すずらん薬局本店(広島市)は、注意すべき副作用の説明や早期発見に、三菱電機インフォメーションシステムズの保険薬局システム「調剤メルフィン」と連携して機能する「マディアスピーク」を活用している。画面には、副作用自発報告データベースに基づいて服薬開始後どの時期にどんな副作用の自発報告が多いのかが表示されるため、薬剤師は情報を参考に、今注意してほしい副作用をしっかり説明できる。薬局長の高見学氏は「新人の薬剤師でも根拠に基づき自信を持って副作用を説明できる」と評価。「業務の効率化にも役立つ」と語る。

 広島市の中心部、人通りの多い繁華街の一角に同店は位置する。広島市内を中心に15薬局を展開するホロンが2007年に開設した店舗だ。処方箋枚数は1日160~200枚。常勤7人、非常勤2人の薬剤師と事務員5人のスタッフが、耳鼻咽喉科、循環器科、婦人科、内科など様々な医療機関や基幹病院の処方箋を面で幅広く応需している。

 ホロンは創業当初からグループ全体で、健康支援やかかりつけ機能を意識した活動に取り組んできた。厚生労働省や自治体の担当者が視察に来るなど、その活動は注目を集めている。同店でもOTC販売や栄養相談、体組成測定会などを実施。在宅にも出向く。健康維持から最期の看取りまで、地域住民を広く支援している。

 こうした理念を背景にホロンが同店を含む全店でこの機能を導入したのは、以前から問題意識を強く持っていたからだ。重篤な副作用の発現を防ごうと、早期発見に役立つ仕組みを約15年前に自社で構築し使ってきたが、データ更新がネックになって活用を休止した。そんな中、医療業界向けコンサルティング会社のマディアが望月眞弓氏(慶應義塾大学薬学部特任教授)が主任研究者を務めた厚生労働省科学研究の結果をもとにシステム構築を進めていると知り、薬局現場の立場から開発に協力。マディアスピークとして商品化され調剤メルフィンに搭載されると同時に全店での導入を決めた。

優先順位つけて副作用把握

 マディアスピークは、製薬企業や医療従事者からの副作用自発報告50万件以上を集積した、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の「医薬品副作用データベース」(JADER)を自動的に解析し、その結果を示す仕組みだ。

 投薬時に画面の「副作用指導」ボタンをクリックすると、新規処方薬や現在服薬中の薬が▽14日以内▽15~28日▽29~56日▽57日以上――の服用期間ごとに分けて示される。画面左側に表示される医薬品名を順に選択すると、その期間中にはどんな副作用の自発報告が多いのかを閲覧できる。

調剤メルフィンの画面。副作用自発報告事例を解析し、服薬開始後どの時期にどんな副作用の報告が多いのかを表示する

調剤メルフィンの画面。副作用自発報告事例を解析し、服薬開始後どの時期にどんな副作用の報告が多いのかを表示する

 高見氏は「投薬の初期段階で注意すべき副作用と、一定の期間が経過した時に注意すべき副作用を、視覚的にすぐ確認できる。重篤な副作用にもチェックが入っており、どの時期に何を説明すべきかを優先順位をつけて把握できるので心強い」と評価。「1年目の新人でも自信を持って説明できるし、レベルアップにもつながる。業務の均てん化に役立つ」と利点を語る。

 同じ処方が続く慢性疾患の患者に対しても、毎回同じ副作用を確認するのではなく、来局するたびに視点を変えて様々な副作用を評価できるようになるという。「例えばアムロジピンなどの降圧薬では、主にふらつきやむくみ、歯肉肥厚などの副作用の有無を確認することが多かったが、ほかにも徐脈、肝機能低下など確認するアセスメントのバリエーションが増えた」と高見氏は振り返る。

記録を自動化し、対人強化

投薬窓口で端末に表示された内容を確認しながら、その患者に応じた副作用の説明を行う

投薬窓口で端末に表示された内容を確認しながら、その患者に応じた副作用の説明を行う

 画面上のボタンをクリックするだけで、患者への説明内容や次回指導計画を自動的に文章化して電子薬歴に保存できることも特徴だ。薬歴に書く内容を考え、記載するなど、各種資料を調べる時間を従来より短縮できる。同店ではこれらの作業に費やす時間を、処方箋1枚あたり30秒~3分ほど短くできた。「患者さんの話を聞いたり、症状や注意事項を確認したりすることに今まで以上に時間を割けるようになり、対人業務の強化につながる」と高見氏は話す。

 マディアスピークには症状から副作用を絞り込む機能もある。聴き取った症状を入力すると、服用薬のうち、症状に関係する副作用を持つ医薬品の一覧が示される。どの副作用ではどんな症状が発現するのかを網羅した独自辞書を搭載しており、漏れなく効率的に副作用を推察できる。

 同店でも、タモキシフェン服用患者から視力低下の症状を聴き取り、この機能を使って副作用の存在を確認して、医師に情報を提供したことがあった。高見氏は「自分が十分に把握していない副作用でも、その場で検索してすぐに確認できる」と強調する。

 今後は、薬機法等改正案に盛り込まれた服薬期間中の患者フォロー義務化にも対応できるように、調剤メルフィンの機能は拡充される計画だ。継続的なフォローが必要な患者について、どのタイミングで何に注意すべきかを薬剤師に知らせる仕組みが今年度内に整備される見通しで、同店の薬剤師は機能拡充にも期待している。

すずらん薬局本店 (三菱電機インフォメーションシステムズ)
https://www.mdis.co.jp/service/melphin/index.html




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