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【インターフェックス Week 東京】白鳥製薬

2020年11月20日 (金)

積極的な設備投資を継続‐大学などと協力し創薬も

新たに導入したICP-MS

新たに導入したICP-MS

 白鳥製薬は1916年、千葉県習志野市において、日本で初めてお茶の葉からカフェインを抽出することに成功し、国産カフェイン事業を開始した。69年からは、現在の主力工場でもある千葉工場で合成カフェインの製造をスタートし、その後、医薬品原薬の製造品目を徐々に増やしてきた。96年には米国FDAの承認前査察を受け、cGMP適合の確認を受けている。現在は、積極的な設備投資を継続し、原薬の製造にとどまらず、創薬分野にも注力しているところだ。

 同社は、「技術で日本一の原薬メーカー」を目指して、R&Dセンターおよび品質管理センターの拡充を進めている。R&Dセンターでは、研究開発力の強化を目的に、2018年に合成研究棟、今年には分析研究棟を新設した。従業員の安全や周辺環境にも配慮し、室内の空気を自動的に入れ替える空調を全室に導入している。

 新薬メーカーからの受託案件やジェネリック医薬品メーカー向けの原薬開発といった従来のビジネスに加えて、創薬分野にも力を入れている。中枢神経系の治療薬などについて、大学や企業と協力しながら研究を行っている。

 品質管理センターでは、データインテグリティの強化などを目的に18年にLIMS(品質管理システム)を導入し、昨年のFDA定期査察にも対応した。今年にはGMP管理のICP-MSやNMRを導入した。常に最新のガイドラインを意識し、ICH-Q3Dで要求されている元素分析に対応できる体制を整えた。同社は、規制対応に向けた積極的な設備投資を続けているところで、今後は生産体制の強化を進めていく考えだ。

 これまでも同社は、低温反応や光反応など、多様な手法を用いて顧客の要望に対応してきた。また、顧客の要望に合わせるだけではなく、最適な工程を提案できるプロセス開発力を背景に、顧客への提案と協業を積極的に進めている。

 千葉工場では、医薬品医療機器等法をはじめ、労働安全衛生法や化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)を含む化学品関連規制への対応を実施し、法令順守に努めている。ジェネリック用原薬では、主にニッチな品目を選定し、着実に採用件数を伸ばしている。

 また、原薬の輸入販売が急増したことに伴い、17年には国際部を新設した。需要数量の多い品目を海外パートナー企業と連携して立ち上げてきた。R&Dでの試験法設定、信頼性保証部門によるメーカー監査や指導、品質管理部門による受入試験、物流部門による保管業務を自社で一貫して行っている同社。いわゆる輸入商社とは一線を画し、メーカー機能を発揮した輸入原薬ビジネスと言える。

 コロナ禍においても、サプライヤーと定期的なウェブ会議を通じてコミュニケーションを取っており、現在も安定供給と各種規制対応に努めている。また、同社グループ内の健康食品部門と連携し、保有している独自素材や化粧品等を製薬企業に提案している。

 創業100年を超える同社は、「新しい時代に向け、変えなくてはいけないものと変えてはいけないもの双方を追求し、人の健康と科学の美をお客様との共創によって創出・創造し続ける企業でありたい」との考えを示している。

白鳥製薬
http://shiratori-pharm.co.jp/



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