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【医薬翻訳におけるAIの現状と課題】Phrase

2022年10月17日 (月)

製薬の「書きニーズ」効率化‐約4割のコストダウン可能

佐藤氏

佐藤氏

 Phraseは、これまで「Memsource」の会社名で翻訳管理システムの提供を行っていたが、9月に社名を変更した。社名変更前までは、「Memsource」の名称で提供を行っていたドキュメント翻訳用の翻訳管理システム「PhraseTMS」の提供を通じて、製薬企業、医療機器メーカーやCROの内部翻訳者、プロジェクトマネージャーの業務効率化に貢献している。

 アジア太平洋地域営業部長の佐藤弦氏は「翻訳の利用は、大きく書きニーズと読みニーズがある」と説明する。「PhraseTMS」は主に書きニーズに対応したシステム。製薬企業は、治験データなどの翻訳で書きニーズが大きく、その際に発生するポストエディットに必要な機能を多く持っている。専門性の高いドキュメントの作成において有用な翻訳管理システムであるという。

 「PhraseTMS」はクラウド型の翻訳管理システム。翻訳文書を作成するために必要な翻訳メモリ、用語ベースの作成、ワークフローの選択や、担当者の割り当て、検証などの作業の管理・効率化に特化している。

 クラウド型のシステムであるため、データの共有が同期され、メールのやり取りなどが自動通知になる。そのため、プロジェクトマネージャーが煩雑な作業をする必要がない点も魅力となっている。

 そのほか、翻訳した文書を翻訳メモリに蓄積し、新たな翻訳に自動適応する機能、専門用語、自社用語などの用語ベースを登録できる機能を備える。翻訳メモリを活用することで一般的に約40%のコストダウンを可能にするという。

 用語や文体の統一、数字などの入力ミスの自動検出機能、プロジェクトの作成やファイル送付の自動化なども可能で、プロジェクトマネージャーや翻訳担当者の主業務に集中できる仕組みが整っている。

 定額で使用できる機械翻訳エンジンも6社と多く、グーグルやDeepLのほか、AmazonやTencentの利用が可能となっている。他社のシステムとの接続も可能だ。

 佐藤氏は「製薬企業などの医薬品関連企業は、スピード性を求めていると感じる。同ツールの利用によって、一番減少しているのは、メールを書くなどの作業量。コーディネーターの負担軽減、タイムラグの解消には寄与できていると感じる。翻訳の管理には、人間の作業がどうしても必要な部分はあるが、そうでない部分はどんどん自動化を進めている」と話し、業務効率化への貢献度の高さを強調する。

 また、ソフトウェア用の翻訳管理システム「PhraseStrings」の提供も行っている。

 同システムは、モバイルアプリ、ウェブアプリ、ウェブサイトなどの海外展開での翻訳作業の効率化に使用される。

 同社は、今後、翻訳メモリやユーザー用インターフェイスを利用した読みニーズにも対応するソリューションの展開、機械翻訳のトレーニングをユーザー側がオンデマンドにできる機能の開発を行っていく予定。

 佐藤氏は「機械翻訳の利用が進んでいるが、その多くは読みニーズでの使用。書きニーズを機械翻訳だけで対応することは品質の問題で、まだ難しいと思う。ただ、人の業務も効率化することが可能だと医薬品関連企業の方々には知ってほしい。DXを進めている業界だと思うので、今後、サービスの実装を積極的に検討してみてほしい」と「PhraseTMS」をアピールする。

Phrase
https://phrase.com/yakuji



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