多言語ソリューションを展開‐課題に合わせ解決策提案
多言語ソリューションを複数展開するRWSグループは、世界の製薬企業上位20社が利用する翻訳支援ソフトウェア「TradosStudio」や独自の機械翻訳ソリューション「LanguageWeaver」の提供を進める。過去20年にわたって、ライフサイエンス事業者に多言語翻訳サービスを提供してきた実績を基に、各事業者の状況や課題に合わせ、翻訳ソリューションの提案も行う。今後は、製薬関連のクラウドサービスとの連携を円滑に行うコネクターの開発も目指している。
RWSグループは、日本国内の大手製薬企業や、CRO、医療機器メーカーなどのライフサイエンス企業に人的翻訳から機械翻訳まで、ニーズに合わせた様々なサービスとテクノロジー製品の提供を行っている。
ビジネスデベロップメントディレクターの伊藤研一氏は、製薬業界における翻訳ニーズについて「現在、治験分野に関するニーズの高まりが見られる。特に、治験薬概要書、治験実施計画書などの翻訳ニーズはとりわけ高くなっている。今後、感染症への対策などを筆頭にコンテンツが増えていくと見ている」と述べ、それに伴い翻訳サービスの需要が高まると見る。
また、コンテンツ量の増加に伴い、翻訳納期の短縮、品質の担保、翻訳コストの削減などの課題が従来以上に発生する可能性が高いという。
それらの翻訳ニーズと翻訳課題に対応するサービスとして、同社は「TradosStudio」や「LanguageWeaver」の価値をアピールする。
「TradosStudio」は、翻訳、レビュー、プロジェクト管理を効率化する翻訳支援ソフトウェア。翻訳コンテンツの納期短縮、専門用語の統一、セキュアで高品質な翻訳を行う必要性がある企業内の翻訳担当者にとって有用性が高いとしている。
「LanguageWeaver」は多言語に対応する機械翻訳ソリューションで、大量のコンテンツを瞬時に翻訳するのに最適としている。利用事業者の独自コンテンツに合わせて学習することが可能で、各ライフサイエンス企業は自社に合わせたより精度の高い翻訳を実現することができる。一般の無料機械翻訳サービスと異なり、自社外に翻訳データが流出することもないため、スピード感を持ちながらセキュアな翻訳を行える。
ライフサイエンス企業の規模や人員リソース、取り扱う製品の性質によって、機械翻訳やその他のツールの導入、翻訳会社への依頼など、必要なサービスの種類は異なる。同社は、顧客にそれぞれ綿密なヒアリングを行いながら、課題の解決に見合ったサービスの提案に力を入れている。
伊藤氏は「機械翻訳をどの業務内のどの分野に適用させるのか、また機械翻訳と人的翻訳を組み合わせ、翻訳業務をいかに円滑に行うのか、顧客が求めるゴールを設定した上で具体的な施策を検討することが非常に大切」と指摘。企業ごとに異なるニーズに柔軟に対応し、効率的なソリューションの提案を行う姿勢を強調した。
RWSグループは今後、同社の持つ翻訳テクノロジー製品と企業が使用する既存システムと連携するコネクターの開発、提供をさらに進めていく予定だ。伊藤氏は、企業に向けて「われわれのようなソリューションベンダーが想定し得ないような場面での利用に関する問い合わせも多い。こんな機能が欲しい、サービスが必要というアイデアの断片を、ぜひ投げかけてほしい」と述べ、顧客の小さな要望、ニーズにも対応していく意向を示している。
RWSグループ
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