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【バイオベンチャーを探る2】アンジェスMG

2015年7月7日 (火)

遺伝子治療の世界リーダーに‐売上高500億円が目標

山田社長

山田社長

 遺伝子治療ベンチャー「アンジェスMG」は、今年から10年の長期計画として「2025年ビジョン」を発表した。国内で年内承認申請の目標を掲げるHGF遺伝子治療薬のグローバル展開や、アトピー性皮膚炎治療薬「NF‐kBデコイ」の国内販売を進め、19年の黒字化を実現し、25年には売上高500億円以上を目指す。山田英社長は、レンチウイルス、レトロウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)をベクターとした遺伝子医薬の研究開発に挑み、「グローバルリーダーを目指したい」との意欲を語った。

 創業16年目を迎える同社は、今年から10年間を“第2の創業期”に位置づける。14年事業収益は9億円、営業損失は22億円と大幅な赤字を計上しているが、ようやく研究・開発から商業化ステージへと移行できるメドがついた。山田氏は、25年ビジョン策定について、「いろいろな方々のご支援を得てこれだけの年月を経ても、まだシーズを市場に送り出していない。長期ビジョンで今後どうなるかお示ししたいと考えた」と説明する。

 最も先行しているHGF遺伝子治療薬は、昨秋から重症虚血肢を対象に6例の国内治験を実施し、条件・期限付承認制度のもとでの年内申請を目指すところまできた。順調にいけば来年中に悲願の上市を達成できるとしている。

 19年度の黒字化を達成するためには、HGF遺伝子治療薬のグローバル開発が最重要プロジェクトとなる。昨年10月に国際共同第III相試験をスタートさせ、米国を皮切りに欧州・南米へと拡大する。重症虚血肢は有効な治療法がなく、患者数20万人、約5000億円と呼ばれる米国市場に進出し、新規開拓を目指す。米国で実施する第III相試験では500人の患者登録を予定し、試験期間は17年9月までの3年間を計画。18年申請、19年承認を見込み、田辺三菱製薬米子会社が販売を行う。

 塩野義製薬と提携し、大型化を期待する核酸医薬「NF‐kBデコイ」は、アトピー性皮膚炎を対象とした国内第III相試験準備中。「近々には入れる」(山田氏)と順調だ。中等度以上の患者200症例を対象に1年半の試験を実施し、17年上市を狙う。症例登録についても早期に完了できる見通し。

 今後の研究開発に向けては、HGF遺伝子治療薬のようにベクターを使わない遺伝子医薬から、ウイルスベクターを用いた遺伝子医薬に挑戦する方針。世界的に遺伝子治療の開発が加速しており、その中心となっているのが分化細胞に遺伝子を導入できるAAVベクターだ。

 一昨年には、蘭ベンチャーが高脂血症適応でAAVベクターの承認を取得。現在では、血友病が主戦場となり、AAVベクターに第VIII因子、第IX因子を入れて体内に注入する治療法開発で、各社が鎬を削っている。山田氏は、遺伝子治療の早期承認制度を追い風に、日本で開発が加速するのを歓迎し、「われわれとしても血友病の遺伝子治療にチャレンジしたい」との考えを強調した。

 さらに、米国バイカル社からエボラ出血熱抗血清製剤の国内独占的開発販売権を取得した。DNAワクチンをウマに接種し、抗体を作らせ血清を精製して抗血清製剤を製造する。3月にはウマに投与し、予備的な試験を開始する予定。山田氏は、「大きなビジネスは考えておらず、感染リスクが高い医療従事者の緊急対策用として使っていただけるようにしたい」と話している。

【追記】

 アトピー性皮膚炎を対象とした国内第III相試験準備中→アトピー性皮膚炎を対象とした国内第III相試験を3月から開始

アンジェスMG
https://www.anges-mg.com/


この記事は、「薬事日報」本紙および「薬事日報 電子版」の2015年2月16日号に掲載された記事です。

バイオベンチャーを探る1 目次

バイオベンチャーを探る2 目次

バイオベンチャーを探る3 目次




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