Q
5年生も後半になり、就職活動を本格的に開始しようと思っています。就職先の選択について、入学当初は何となく薬剤師職を目指していましたが、ある先生に相談してみたところ、研究職の楽しさを教えられ、企業就職もいいなと感じました。また別の先生には、大学病院の病院薬剤師になって高いスキルを身に付けることを勧められ、そのキャリアも魅力的だと分かり・・・・・・。いったいどのように選択したらいいか迷ってしまって困っています。
A
進路選択の迷い、ですね。先号でもお伝えした通り、就職活動開始時には、まずは自分の興味・関心がどこにあるのかを自身で知ることが必要です。その興味・関心の方向に沿って、職業選択をしていけばいいと思うのですが、相談者のように複数の興味が出てきてしまうと迷ってしまいますよね。
さて、人生において大きな選択の時は、幾度か訪れると思います。まず高校の選択、次に大学の学部選択。大学の学部選択は人生に大きな影響を与えることでしょう。薬学部を選択した皆さんにとって既に、薬剤師や薬の研究職が選択肢に入ったと思います。例えば、文学部出身の私には、薬剤師職は選択には入りませんものね。
そして就職という人生の大きな選択の時。これは大きな分岐点になると思われます。病院薬剤師になる人生、企業研究職になる人生、おそらく全く違う生活が待っているものと想像できます。人生の一番といってもいいほどの大きな選択に、自分以外の誰か、他人から決断を下してもらうことなんて、無意味だしもったいない。もしその選択に後悔する時が来ても、誰もその選択に責任など持ってくれないのです。
キャリアカウンセラーの私も、相談者にとってどの道がいいかなんて、決して軽々しくアドバイスはしないのです。その選択の重みについて、理解しているからです。そのくらい大事な選択の時ですが、とはいえ、たった一つに絞らなければなりません。だからこそ、他人に相談せず、自分で徹底的に調べることをお伝えしたいのです。
患者のために働く医療人になりたいのか、なりたくないのか。薬の研究や開発に興味があるのか、ないのか。自問自答から始めてください。一つ付け加えますと、転職は悪いことではなく、次へのステップとも言えます。一つを選択した後、思い直し、再度スタートすることはもちろん可能です。
私は大学卒業後に入社した会社で6年間勤務後、さらなるスキルアップのために転職。そこで腕を磨き、その後独立を選択しました。50代の今、まだまだキャリアは続いています。キャリアのスタートをどこに設定するか、自分でよく熟考して決めてください。自分で決めると後悔しないと思いますよ。
















