2025年も残すところ約1カ月となったが、ドラッグストア業界は今年も順調な成長を遂げていることが明らかになった。今年発表された日本のドラッグストアの2024年度実態調査の結果、業界の全国総売上高は長く目標に掲げてきた10兆円の大台を突破し、10兆0307億円にまで到達したことが大きな話題となった。加えて、23年度対比の伸び率が9.0%という高い数値であったことも注目を集めた。
高い伸び率の要因の一つとしては、「フーズ・その他」カテゴリーの売上高が前年度比13.2%の大きな伸びを見せたことが挙げられるだろう。
円安や国際情勢の緊張による輸入材の大幅な値上げや円安がもたらした商品の値上げがワンストップショッピング効果にプラスして売上増につながっているようだ。「フーズ・その他」は商品カテゴリー別売上高構成比でも比率を高めており、28.2%と3割に近づいている。
店舗数に関しては、実態調査の結果から日本のドラッグストアの総店舗数は2万3723店舗という状況だ。前年度調査よりも682店舗増加している。
大手企業は積極的な出店やドミナント強化などに取り組んでおり、他の業態も加えた競合の激化が続く中、順調に店舗数を拡大。18年度の実態調査結果で2万0228店舗となり、初めて2万店舗超えた後も順調に店舗数を増やしている。
一方、日本の人口推移は10年頃をピークに年々人口が減っている。日本では少子高齢化が続いているが、人口が減少していく中で、人口に占める65歳以上の割合である高齢化率は上昇し続けている。
現在の高齢化率は約30%に達している反面、出生率は上がらず、昨年の出生数は70万人を下回る結果となった。総人口が減ることによって一定範囲における商圏人口も減少している。
日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)によると、日本のドラッグストア店舗数については、狭小商圏化が一段と進み、全体としての規模拡大が続いているものの、人口減少が理由と思われる地域においては店舗数の固定、減少傾向も確認されているという。
ドラッグストアはコロナ禍を経て、地域やそこに暮らす生活者にとってなくてはならない存在となった。
現在、地域生活者の安心・安全を支えるインフラとしての機能を発揮しており、健活ステーション化を進めて「2030年13兆円」という目標も掲げている。
今後に目を向ける中では、人口減少や高齢化の著しい進行など、それぞれの地域の状況に応じた対応が求められていくことが想定される。
これまでも、地域や生活者に寄り添ってきたドラッグストアだからこその取り組みに期待し、注目し続けていきたい。













