患者向医薬品ガイドとは?:全医療用医薬品を原則対象へ

更新日:2025年12月25日 (木)

患者向医薬品ガイドとは

患者向医薬品ガイドとは何か

 患者向医薬品ガイドとは、患者やその家族が医療用医薬品を正しく理解し、重大な副作用などの早期発見に役立てるために作成されたガイドです。医療関係者向けの添付文書を基に、一般の方にも読める表現でまとめられ、医薬品医療機器総合機構(PMDA)のサイトで閲覧できます。現行はPDF中心で提供されてきましたが、閲覧性向上を狙った提供方式の見直しも進んでいます。臨床での説明補助として、患者が「まず何を知ればよいか」を短時間で把握できる点が特徴です。

 患者向医薬品ガイド(PMDA)
 患者向医薬品ガイド検討会 とりまとめ(PDF)
 【PMDA検討会】患者向医薬品ガイド‐HTML方式で提供へ(薬事日報) 

患者向医薬品ガイドの目的と役割

 患者向医薬品ガイドが作成された目的は、患者への「情報提供」を通じて医薬品の理解を深め、異変時の受診・相談につなげることです。患者が自分の薬を理解し、医師・薬剤師へ質問するためのコミュニケーションツールにもなります。作成は製造販売業者(製薬企業)が行い、掲載も各社の責任で運用される点が重要です。内容は広告ではなく、安全性と適正使用の観点で患者・家族および医療従事者の判断を支える位置付けです。

 患者向医薬品ガイド(目的・留意事項)(PMDA)
 患者向医薬品ガイド検討会 とりまとめ(目的・位置付け)(PDF)
 「患者向医薬品ガイド検討会」のとりまとめを公表(ニュースリリースPDF)

患者向医薬品ガイドの利用方法と注意点

患者向医薬品ガイドの閲覧方法

 患者向医薬品ガイドの閲覧は、PMDA「患者向医薬品ガイド」ページから、(1) 一覧で探す、(2) 「医療用医薬品情報検索」で一般名・販売名から検索する、の2ルートが案内されています。検索画面では関連文書としてガイドへ辿れるため、患者説明の前に素早く確認できます。更新年月の記載を見て最新性をチェックし、必要なら検索機能の使い方(手順書)も参照すると迷いません。

 患者向医薬品ガイド(閲覧:一覧/情報検索)(PMDA)
 患者向医薬品ガイドの検索指示(PMDA 情報検索メニュー)

「患者向医薬品ガイド」と「くすりのしおり」の違い

 「患者向医薬品ガイド」と似たものとして「くすりのしおり」があります。この「くすりのしおり」は、製薬企業が基本フォーマットに沿って作成し、患者にわかりやすい表現で提供する情報で、くすりの適正使用協議会(RAD-AR)のサイトから検索できます。一方、患者向医薬品ガイドは、添付文書を基に「重大な副作用の早期発見」など安全性に軸足を置き、PMDAの枠組みで提供されます。両者は似て見えても、運用主体・目的・掲載場所が異なります。

 くすりのしおり(RAD-AR)
 くすりのしおり(活用法・特徴)(PDF)

くすり相談窓口の活用法

 もし患者が医薬品について不安を抱えたとき、薬局は「まず主治医・薬剤師へ相談」を促しつつ、公的な相談先も提示できると安心感が高まります。PMDAには電話の「くすり相談窓口」があり、効能効果、飲みあわせ、飲み方・使い方などを相談できます。個人情報は原則として氏名等を求めず、匿名で相談しやすい運用も明記されています。地域には全国の相談窓口一覧もあるため、トップページ案内の導線を控えておくと説明がスムーズです。

 くすり相談窓口(PMDA)
 全国のくすり相談窓口(PMDA)
 薬の副作用かな?と思ったら(政府広報オンライン)

PMDAでの検討事項と今後の展望

 PMDAは、患者向医薬品ガイドの課題(認知度の低さ、アクセスしづらさ等)を背景に検討会を設置し、2024年12月から2025年にかけて複数回の議論を重ねました。議論では「全医療用医薬品を原則対象」とする考え方、患者が理解しやすい必須版と詳細版の整理、周知・アクセス改善が論点になっています。提供形式も、従来のPDF中心からHTML方式へ転換する方針が示され、現場での閲覧性や二次利用のしやすさを高める方向です。若手薬剤師は、今後の改訂で“見せ方”が変わる前提で運用をアップデートしたいところです。

 患者向医薬品ガイド(検討会日程・資料リンク)(PMDA)
 「患者向医薬品ガイド検討会」のとりまとめを公表(PMDA)
 患者向医薬品ガイド検討会 とりまとめ(PDF)
 【PMDA検討会】患者向医薬品ガイド‐HTML方式で提供へ(薬事日報)

薬事日報で読む患者向医薬品ガイド

 薬事日報では、ガイドの“実装”がどう変わるかを追うのが読みどころです。例えば2025年4月には、閲覧性と活用性を理由に、提供形式をPDFからHTMLへ変更する方針が報じられました。 一方で、2025年3月・8月には、対象を全医療用医薬品へ広げる意見や、A4 1~2枚程度の「必須版」を起点に周知する考え方、薬剤情報提供説明書への二次元コード印字など“患者が迷わず辿り着く導線”が論点として整理されています。 これらを時系列で読むと、「作る」から「使われる」へと焦点が移り、薬剤師にとっては服薬指導の現場で、紙・スマホ・お薬手帳(PHR)まで含めた説明設計が必須になっていく流れがつかめます。

 【PMDA検討会】患者向医薬品ガイド‐HTML方式で提供へ(薬事日報)
 【PMDA検討会】患者向医薬品ガイド作成~全ての医療用薬対象を原則に(薬事日報) 
 薬情に二次元コード印字~患者向ガイド取りまとめ(薬事日報)

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