シスメックスの「PrismGuide APOE遺伝型判定キット」による遺伝学的検査が7月1日、アルツハイマー病(AD)治療薬である抗アミロイドβ(Aβ)抗体薬の副作用リスクを評価する検査として、国内初の保険適用を受けた。
同キットによる遺伝学的検査は、AD治療薬の投与を検討する患者に対し、治療薬投与前に副作用発現リスクを評価することが可能となっている。これにより、主治医と患者さおよび家族がその結果を踏まえ、ともに治療方針を検討する共同意思決定(Shared Decision Making:SDM)に貢献することが期待される。
ADの病理に作用する抗Aβ抗体薬は、認知症の進行を抑制する効果が期待される一方、一部の患者において、アミロイド関連画像異常(ARIA)と呼ばれる脳への副作用を伴うことが知られている。ARIAの発現リスクは、APOE遺伝型によって異なることが報告されている。
7月に改訂される「認知症に関するAPOE 遺伝学的検査の適正使用ガイドライン(第2版)」では、治療の有効性に加えて、副作用のリスクについても十分に理解したうえで治療方針を検討する重要性が示されている。
同キットは、抗Aβ抗体薬の投与を検討している患者を対象に、血液中のゲノムDNAからAPOE遺伝型を判定し、副作用発現リスクの評価に用いられる。今回の保険適用によって、国内で初めて、保険診療としてAPOE遺伝型に基づく副作用の発現リスク情報を臨床現場で活用することが可能となる。
今後、臨床現場での使用が広がることで、より適切な投与判断および患者さんの価値観を尊重した治療方針の決定に貢献することが期待されている。
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