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人命か特許か

2021年05月12日 (水)

◆アメリカのバイデン政権が新型コロナウイルス感染症ワクチンの知的財産権放棄を支持すると表明したことが話題になっているが、欧州では「供給が増えるわけではない」と反対が強まっているようだ
◆イスラエルの例を見るまでもなく、ワクチンの効果は劇的だ。しかも従来では考えられないスピードで実用化された。その技術革新に対するリターンの源泉が知的財産権である
◆ただ、ワクチン接種が先行した国で社会経済活動が大きく回復しつつある一方、途上国の人々に行き渡っていないことが「独り占め」との世界の問題意識につながっている。そこにワクチンがわずか1年で開発された技術革新は考慮されているのだろうか
◆TRIPS協定は公衆衛生の保護を目的に強制実施権の発動を認めており、コロナパンデミックは該当すると理解できなくもない。医薬品アクセスと知的財産権をめぐる「人命か特許か」のさや当ては永遠の課題とも言えるが、製薬大国アメリカでの知的財産権の放棄は衝撃的な出来事であることは間違いない。



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