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【薬剤師の生涯学習】日本臨床栄養協会

2024年07月17日 (水)

サプリの専門家を育成・支援

久保氏

久保氏

 健康の保持増進効果を期待して、多くの人々が健康食品・サプリメントを利用している中で、消費者の健康食品相談に応じられる専門家の役割が改めて注目されている。臨床栄養分野のプロフェッショナルを育成するための活動を行う日本臨床栄養協会(東京港区、久保明理事長)では、厚生労働省の基準に100%沿った内容で栄養と保健機能食品・サプリメントについて正しい知識を持った人材「NR・サプリメントアドバイザー」の教育・認定を行っており、薬剤師を含め認定を受けた多くのアドバイザリースタッフが各職域で積極的な活動を続けている。

 同協会では、2002年にサプリメントアドバイザー認定試験をスタートし、その後、国立健康・栄養研究所認定の栄養情報担当者(NR)事業を移管統合し、13年からNR・サプリメントアドバイザー認定試験を実施している。昨年12月には第11回試験(計22回目)が実施され、資格取得者は現在までにNRからの移管資格取得者も含め、延べ約1万2000人を数える。

 資格取得には、まずNR・サプリメントアドバイザー講座(通信教育)の受講が必須となる。講座は、臨床栄養の第一線で活躍中の講師陣による充実した内容で、1コマ約30分のオンデマンド配信のため忙しい人でも時間を有効活用して学習できる。認定試験は年1回(12月上旬)行われ、合格者は「NR・サプリメントアドバイザー」資格が得られる。なお、アドバイザーの質の維持・向上のため、5年ごとの資格更新が必要となる。

 NR・サプリメントアドバイザーの主要な役割に、消費者からの健康食品等に関する相談がある。これにより、健康食品による健康被害や医薬品との相互作用を未然に防ぐことができ、相談を通じて不安を解消させられる。

 さらに、食事や運動などの生活指導にもつなげることができ、実際に薬局やドラッグストアの店頭、病院、企業などで消費者からの相談対応に生かしている有資格者も数多い。

 同協会でも、NR・サプリメントアドバイザー普及活動を協会事業の重要な柱と位置づけており、資格者の認定と資格認定後のスキルアップのための学びの場の提供、資格活用の場の創出など、有資格者のバックアップに努めている。また「NR・SAサポーター」に登録すると、アドバイザーの知識と経験を生かして、広く一般の人々に栄養やサプリメントについて啓発する機会も与えられる。

 最近では行政・自治体が主催する市民講座等への講師紹介も積極的に行っており、活躍の場も増加傾向にある。

 昨年11月に同協会の新理事長に就任した久保明氏(医療法人財団百葉の会銀座医院院長補佐・東海大学医学部客員教授)は、新理事長就任に際して、4000人を超える有資格者を輩出しているNR・サプリメントアドバイザー制度をさらに充実し、有資格者の活動を発展させることで国民の健康増進に寄与すること。そして健康寿命延伸において共通の領域を有する臨床検査、総合健診、身体活動、リハビリテーション、介護福祉、メンタルケアなどの諸団体とも密接に連携する──などの目標を掲げた。

 久保氏は「これまで以上にNR・サプリメントアドバイザーの存在を知ってもらい、活躍の場がさらに広がるためにも魅力あるプログラムを提供していくことが非常に重要だと考えている。10月の第22回大連合大会(第46回日本臨床栄養学会総会、第45回日本臨床栄養協会総会)やセミナー・研修会の講師に、運動やリハビリなど異なる領域の専門家を迎えるのもその一つで、新たな視点で活動領域を広げていってもらいたい」とする。

 また、季刊の協会誌(New Diet Therapy)では、医学・薬学・栄養学に関する興味ある話題や会員の活動報告など、様々な最新の情報が得られるほか、レベルアップのための各種研修会やメール配信も含め、協会としては日常の職域活動に有益な情報を適宜提供しており、「1人でも多くのNR・サプリメントアドバイザーの誕生を期待している」と話している。

日本臨床栄養協会
NR・サプリメントアドバイザー
http://www.jcna.jp/



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