感染症定期報告サービス提供‐バイオ薬の市場拡大に対応
イーピーエス(EPS)は、薬機法で生物由来製品等に義務づけられている感染症定期報告を支援するサービスの拡大に注力している。同社は、バイオ医薬品、再生医療等製品が増えていくことを見込み、拡大する需要の取り込みを進める。感染症定期報告支援は、他のCROではあまり聞かないサービスだが、再生医療等製品を扱う企業、スタートアップなどにサービスを訴求していく。
生物由来製品は、遺伝子組み換え製剤、ワクチン、血液製剤等が該当する。原材料が細胞組織等であることから、未知の細菌、ウイルスなどの感染因子が混入している恐れが否定できず、感染症のリスクが潜んでいる。そこで国は、市販後の製品由来感染症対策を強化しようと、個別報告の集積による頻度や傾向を把握しやすくするため感染症定期報告制度を2003年に施行した。
同社は05年から感染症定期報告支援業務を受託してきたが、このたびサービス名「おまかせ!感定報」(安全性定期報告=安定報に倣い、感染症定期報告=感定報と命名)を商標登録。近年、市場が拡大し、今後も拡大が見込まれるバイオ医薬品、再生医療等製品を睨み、サービスの拡大を図ることにした。サービス内容は二つだ。
一つは感染症情報のスクリーニング・評価票の作成。クライアントから提出された情報を踏まえ評価案を作成する。動物種ごとに異なる感染リスク、経路などを踏まえて評価基準の策定も支援可能。
もう一つは、感染症定期報告書案の作成。集積されたデータを踏まえ報告書案を作成する。複数の製品がある場合に煩雑になる報告スケジュール管理も、期日リマインドを含めて支援する。
同社ならではの特徴は▽豊富な実績・多様な受託提案▽高いコストパフォーマンス▽一連業務のフルサポート。社内教育を徹底し、必要なスキルを備えたスタッフが支援に当たる。ITを導入し効率的な業務支援を行い、多様な情報源のスクリーニングから報告書案作成までを受託できることをうたう。
このサービスを担当するリアルワールドエビデンス事業本部安全性情報センター安全性情報2部の原田ちなつ氏は「メーカーでは安全管理業務のメインとなる副作用報告の経験に比べると、感染症定期報告のノウハウは少ないところがある。治験段階では発生しない業務であり、副作用関連業務に追加される業務ということもあり、承認後に急に必要になって困っているお客さまもおられる。また、新規参入企業やスタートアップも増え、需要が出ている」と、同サービスのニーズを説明する。中でも再生医療等製品を扱う企業、スタートアップは訴求対象として優先度が高いという。
その上で、「お客さまによっては限られた人数で対応されていたり、評価が属人化したりと様々な課題がある。当社に委託いただくことでニーズに合わせて柔軟に対応できると自信を持ってサービス展開している」とアピールする。
イーピーエス
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