中央社会保険医療協議会は1日の総会で、在宅医療に関する診療報酬上の評価について議論した。診療側の森昌平委員(日本薬剤師会副会長)は、保険医療機関および保険医療養担当規則に記載されている経済上の利益の提供による誘引の禁止規定に言及。薬局からの経済上の利益提供により、介護施設が入居者が利用する薬局を施設都合で決める事例を問題視し、「薬局から施設への金銭の収受による誘導の禁止規定を設けるべき」と訴えた。
療担規則の「誘導の禁止」規定は、医療機関から特定の薬局への誘導に対するもののみに限定されている。森氏は、薬局が施設入居者に対応する場合に「介護施設が薬局に対して金銭の対価を要求し、その薬局が断ったら別の薬局になったという事例があった。こうしたことがあってはならない」と述べた。経済上の利益提供による誘引禁止等の規定が介護施設側にないことを踏まえ、「施設側にも薬局から利益の収受による誘導の禁止を設けるべき」と訴えた。