
左から柿沼氏、塚本氏、同社戦略部副部長の村山研氏
アルケアは先月、0歳以上の小児の患者を対象にしたカテーテル固定専用キット「フィックスキット・PV小児」の発売を機に、患者や家族の身体的・心理的負担および医療従事者の業務的・精神的負担の現状と、その課題に対して技術面からどのようにアプローチし、製品開発へつなげたかを紹介する「メディア向けラウンドテーブル」を開催した。
同ラウンドテーブルでは、製品開発時に協力した山王病院新生児内科NICU副部長(同製品開発時:国立成育医療研究センター周産期・母性診療センター新生児科医長)の塚本桂子氏も登壇し、同社担当者とともに小児・新生児医療現場が抱える切実な現状や課題、同製品の開発背景についてのトークセッションや、開発者による製品のデモンストレーションを実施した。
トークセッションで塚本氏は、少子化や看護師の人材不足が進む一方で、周産期・新生児医療の進歩によって、低出生体重児や重症児の救命率が向上し、専門的で高度な医療を要する子どもたちが増加している日本の小児医療の現状を解説した。
その上で「小児の場合は成人と異なり、1本の点滴で命を救える子がいる一方、点滴が確保できないことで命を落とす場合もあり得る」と点滴の重要性を強調した。しかし、小児は体動が多く、皮膚が脆弱であるため、成人用固定テープを切り貼りする手作りの固定ではケアの標準化が難しく、点滴漏れや皮膚トラブルの発見が遅れるという課題があったと解説した。
また、同社商品戦略部の柿沼知美氏は、同製品の開発に至った経緯を語った。開発のきっかけは、医療関係の学会で塚本氏が「小児専用の固定用テープを作れないか」と各企業の展示ブースで熱心に打診していたことだと明かし、「現場のリアルな状況をお聞きする中で、塚本先生の『小さな命の“1本の点滴ルート”を確実に守りたい』という言葉に胸を強く打たれました」とコメントした。
同製品の開発を振り返り塚本氏は、「漏れてしまう点滴をなんとかしたいという思いだけでここまでやってきた。アルケアが真摯に耳を傾け、複数回にわたるプロトタイプの作成・検証・改良を行ってくれた結果、このような形となって大変嬉しく思う」と開発の苦労と完成の喜びを語り、製品化への深い感慨をにじませた。
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