6月に創立40周年を迎えた公益財団法人医療機器センターは、7月30日、東京・丸の内のパレスホテル東京で記念式典を開催。式典に先立って菊地理事長と中野専務理事が記者会見し、医療技術の未来像とそのために必要なコアテクノロジーなどを描いた「医療技術フォーサイト2050」と、2026年度から始まる第三期中期経営計画の新たなチャレンジなどを発表した。

左から菊地理事長、中野専務理事、新見常務理事
「医療技術フォーサイト2050」
「医療技術フォーサイト2050」(2050は「ニーゼロゴーゼロ」と読む)は、まず2050の未来社会を、都市構造の変化、新たな医療格差の出現、人口構造の変化、知識構造の進化、疾患数、人(技術や知識)とモノ(機器)の比重の変化という6つのファクターから読み解き、そこから求められる技術などを3つのビジョンと6つのアクションとして導出し、これを踏まえて、7名の若手(40歳後半)医師が、それぞれ(1)循環器内科、(2)循環生理・神経制御、(3)脳神経外科・脊椎・脳外科、(4)救急・麻酔・医療システム、(5)消化器内科、(6)眼科、(7)画像診断における医療技術の未来像を示したもの。グループリーダーは田村雄一氏(国際医療福祉大学医学部循環器内科学教授)が務め、事務方は松橋祐輝氏(医療機器センター附属医療機器産業研究所主任研究員)が担当した。内容は、例えば、循環器内科で2050年に求められる医療技術としてクローズドループ自律型心不全管理システム、希少疾患診断を効率化するAIシステム、モバイル型心臓カテーテル治療などが、そのために2035年に確立しておきたいコアテクノロジーとして生体センシング&データ取得、低エネルギー&ハーべスティング管理、マイクロロボティクス&アクチュエータなどがあげられている。なお、「2050」はPDF版が7月30日午後、医療機器センターのウェブサイトにアップされ、誰でも閲覧可能になっている。
こどもがあこがれる業界へ!
医療機器センターの第三期中計における新たなチャレンジは、(1)最速・丁寧な審査で認証取得へ、(2)全社の採用計画100%達成へ、(3)すべてのこどもがあこがれる業界へ、というもの。医療機器センターは薬機法に基づく登録認証機関としてこれまで3100件以上の審査をこなしているが、中野専務理事は、これを「スピードとコストが最適化した第三者認証をやっていきたい」と語った。採用100%については、センターが運営している就活生向け情報発信サイト「医機なび」の活動をさらに強化して対応する考え。あこがれる業界については、「戦略的な広報活動を業界一丸となった取り組みで、医療機器業界や医療機器のイメージを刷新して、全ての子どもがあこがれる業界へと引き上げていきたい」としている。第三期中計は今秋完成予定。
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