2026年度診療報酬改定で、薬局薬剤師の対人業務をめぐる評価の中でも特に注目されているのが「服用薬剤調整支援料2」です。点数は1000点と高く、調剤報酬の中でも最上位クラスの評価として、薬剤師が患者ごとの薬物治療を総合的に見直し、医師に提案する高度な業務を評価する仕組みとして位置づけられました。一方で、算定には厳格な人材要件が課されており、誰でもすぐに算定できる点数ではありません。
今回の改定では、従来の包括評価から、実際の対人業務を個別に評価する方向がより明確になりました。服用薬剤調整支援料2は、患者・家族の希望や背景を踏まえた薬物治療の個別最適化を実現し、薬剤師が責任を持って主治医に提案する高度な職能を評価する項目として位置づけられています。
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服用薬剤調整支援料2とは何か
服用薬剤調整支援料2は、かかりつけ薬剤師が患者の服用薬剤を継続的・一元的に把握した上で、服用薬剤総合評価を行い、必要に応じて処方医に文書などで提案した場合に算定する評価です。2026年度改定では、この業務に1000点という高い点数が設定され、対人業務評価の目玉の一つとなりました。
背景にあるのは、かかりつけ薬剤師指導料の撤廃です。改定では、従来の包括的な評価から、実際に行った対人業務を個別に評価する仕組みへと見直しが進みました。服用薬剤調整支援料2は、その中でも特に専門性の高い提案型業務を評価する項目といえます。
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>服用薬剤調整支援料2の算定要件
まず押さえたいのは対象患者です。服用薬剤調整支援料2の対象は、内服薬が6種類以上処方されている患者とされています。この基準の背景には、多剤服用と薬物有害事象の関連に関する知見があります。
算定頻度にも制限があります。1人の患者につき6カ月に1回まで算定でき、さらにかかりつけ薬剤師1人につき月4回(月最大4人分に相当)まで算定可能とされています。高点数ですが、算定回数には厳しい制限があり、広く件数を積み上げるタイプの点数ではありません。
また、服用薬剤調整支援料2は令和9年(2027年)6月1日から算定可能です。2026年度改定の中でも、一定の準備期間を置いて導入される点が特徴です。
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最大のポイントは「誰が実施するか」
服用薬剤調整支援料2が高難度といわれる最大の理由は、薬剤師側の要件が厳しいことです。服用薬剤総合評価を行うかかりつけ薬剤師は、日本老年薬学会の提供する老年薬学服薬総合評価研修会を修了した薬剤師、または日本老年薬学会が定める老年薬学認定薬剤師であることが要件とされています。
しかも、その前提となる研修受講資格や認定要件にも高いハードルがあります。研修会の受講資格は、JPALS認定薬剤師制度でCLレベル6の認定取得者、または日本医療薬学会が認定する地域薬学ケア専門薬剤師もしくは薬物療法専門薬剤師に限られると報じられています。老年薬学認定薬剤師についても、更新時に症例報告が求められ、薬剤レビューの症例も評価対象になります。なお、日本老年薬学会が公表した研修会の募集要項では、上記の認定要件に加え、臨床実務経験5年以上、薬剤師生涯学習達成度確認試験への合格も受講資格に含まれています。
このように、服用薬剤調整支援料2は「高点数の新設項目」ではあっても、単純に収益面だけで語れる制度ではありません。制度上は、一定の専門性と実践力を備えた薬剤師による総合評価と提案が重視されています。
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「薬剤レビュー」とは何か
服用薬剤調整支援料2を理解するうえで欠かせないのが「薬剤レビュー」です。薬剤レビューとは、薬剤師が患者から情報を収集し、薬物治療上の問題を分析・特定した上で、薬物治療計画などを文書にまとめ、医師に処方提案を行う業務です。
重要なのは、単に薬の数を減らすことではない点です。患者の希望や信念、不安、生活様式、優先順位なども踏まえ、現在使用している医薬品だけでなく、ライフスタイルや食生活を含めた全体像から、薬物治療の個別最適化を図ることが薬剤レビューの本質とされています。
こうした考え方は、ポリファーマシー対策とも親和性があります。ただし、薬剤数が多い患者ほど症例は複雑になりやすく、問題解決の難度も上がります。このため、薬剤師の理解度や習熟度に応じて症例を選ぶことが重要だとされています。
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なぜ1000点という高い評価なのか
厚生労働省保険局医療課の清原宏眞薬剤管理官は、薬事日報の取材に対し、服用薬剤調整支援料2について、ルーチン業務では算定が難しい高度な評価であるとの考えを示しました。評価される薬剤師像を明確にし、多くの薬局・薬剤師に目指してほしい業務として位置づけている点が読み取れます。
また、日本薬剤師会の岩月進会長も、新設された1000点の評価について、総合的に評価した上で医師に情報提供を行う点数として大切に育てるべきだとの認識を示しています。高い点数は、そのまま現場で求められる専門性の高さを意味しているといえます。
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現場で準備すべきこと
薬局がまず備えるべきなのは、対象患者を適切に見極める視点です。内服薬が6種類以上という形式的な条件だけでなく、服薬実態、生活背景、症状の変化、残薬の有無、複数医療機関受診の状況などを踏まえ、総合評価の必要性を判断する力が求められます。
次に重要なのは、情報を集めるだけでなく、解釈し、提案につなげる力です。今後は薬局で得られる情報が増える一方で、それを正確に収集し、深く解釈し、効果的に活用する能力がこれまで以上に問われるとされています。
さらに、医師への情報提供文書を作成する能力と、対話を通じて処方提案を具体化するコミュニケーション力も欠かせません。薬剤レビューでは、患者にとって何が課題で、どう改善するのが妥当かを、根拠とともに整理して伝えることが必要になります。
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薬事日報が伝えてきた服用薬剤調整支援料2
薬事日報では、服用薬剤調整支援料2をめぐって、改定答申時の制度解説だけでなく、行政の狙い、現場の研修、実践事例まで継続して報じてきました。改定答申では1000点設定と制度の概要が示され、行政取材では制度の狙いが語られ、現場報道では薬剤レビューを学ぶ研修や実践の広がりが取り上げられています。
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こうした既報をたどると、服用薬剤調整支援料2は単なる点数項目ではなく、薬局薬剤師の職能をどこへ向かわせるのかを示す制度であることが見えてきます。点数の大きさだけに目を奪われるのではなく、どのような薬剤師が、どのような患者に、どのような提案を行うのかという本質を押さえることが重要です。
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まとめ
服用薬剤調整支援料2は、2026年度改定の中でも特に注目度の高い項目です。1000点という高い評価が付いた一方で、対象患者、算定頻度、薬剤師の人材要件はいずれも厳格で、簡単に広く算定できる仕組みではありません。制度の中心にあるのは薬剤レビューであり、患者の薬物治療を総合的に見直し、医師に責任ある提案を行うという、薬剤師の高度な対人業務そのものです。
2026年03月09日 01面
服用薬調整料2に「高い壁」‐老年薬学認定薬剤師など要件
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