前回ミッション第5回 ミッション「3000万円を元手にメディカル分野で1000億企業を立上げよ!」 1の続きです。
萌芽その1 「WEB-DTC広告市場の開拓者」
1000億企業、萌芽その1は「WEB”DTC広告市場の開拓者」と名付けてみました。
DTC・・・Direct to Consumer。医療用医薬品の一般大衆向け直接広告を指します。我々がよく聞く「頭痛に○○」「胃もたれに○○」なんていうのは一般用医薬品(OTC薬)で、これは医療用医薬品ではありません。市場規模で言うと、前者が9、後者が1となります。圧倒的に医療用医薬品の市場が大きい。しかし、一般用医薬品の広告はTV広告・電車広告などで目にすることが出来るものの、医療用医薬品の広告には滅多にお目にかかれません。
ですが。数年後、我々は医療用医薬品の広告=DTC広告を頻繁に見かけるようになるでしょう。そうなる未来には1000億円企業が生まれているはず。萌芽1はそんなお話です。
(※補足:スイッチOTC薬というモノもあります。これは長期間医療用医薬品として使用されていたものが、一般用医薬品として薬局等で購入できるようにスイッチしたものを指します。)
ところで。なぜ一般用医薬品と医療品医薬品という区分があるのかというと、医療用医薬品は効果が高い代わりに副作用の危険性もあるため、医療知識・疾患知識が高いとされる医師の処方が無ければ入手出来ないようにしようという理由があるためです。
逆を言えば、専門知識を持たない一般患者に対して情報開示をすれば医療現場に混乱を来たすだろう、また医師がちゃんとアドバイスしてあげないと一般患者が薬の使用法を誤ることがある、そうなったらマズイ、情報開示するのはよくないなぁという厚生労働省の考えが根底にあるわけです。
ですが、現実はどうでしょう。現実には薬を処方した後に薬の正しい使用が出来るようなサポートをしているかというとそんなことはほとんどありません。その役割は誰かが担うべきなのですが、忙しい医師・薬剤師にはあまり期待出来ないというのが現状です。そもそも属人的にそれを行うのは無理がありました。しかし、WEBを有効活用することでそれが可能になるかもしれません。これには情報開示が不可欠です。
また、情報開示することで、そもそも患者に病気を患っていることを認識させる・治療意欲を高めることが出来ますから早期発見が可能になります。これは社会厚生の向上に繋がります。治療の選択肢を増えますし、患者自身が治療に参加するようになります。情報開示のメリットは非常に大きい。けれども、タテマエとしては残念ながらそういうことになっています。
そういうこともあって、DTC広告に関しては厳しい規制があります。DTC広告に関して製品名を使用できるのは米国とニュージーランドのみで、日本では使用できません。疾患啓発は行って良いのですが、製薬企業の経営者・決裁者がDTC広告に積極的ではないため、日本のDTC広告市場は約50億円程度と低い水準に留まっています。(ちなみに米国のDTC広告市場は約3000億円)
ホスピタリティアライアンス代表取締役
TOCコンサルタント 宮川 耕
連載 医療2.0《医療とWEB2.0》
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