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【彩の国にいる37人の薬剤師】人事開発部長として活躍する薬剤師 蓮田市薬剤師会・細野美佐子さん

2024年08月01日 (木)

ジェネラリスト薬剤師を養成

細野美佐子さん

<私ってこんな薬剤師>
健康相談に対応するオールラウンドなジェラリスト薬剤師
<かかりつけ薬剤師像>
ジェネラリストとして健康を応援する薬剤師
<趣味>
旅行

 「若い薬剤師に命令するのはダメ。『助けてくれる?』『ここを教えて』と言うと親切に一生懸命やってくれます」。蓮田市薬剤師会が推薦したのは、ウエサカ薬局人材開発部部長の細野美佐子さんだ。

 蓮田市内にある「クスリのウエサカ」で地域住民からの漢方相談に対応し、それ以外の時間は人材開発部部長として社内人事や採用、教育を行う。

 「年に1度は人事部長面接をしています。『あなたの良さを生かすのが会社方針ですよ』と言うようにしていますね」

 若手薬剤師の考え方を大事にしながら、様々な診療科に精通し、健康相談にも対応できるオールラウンダーでジェネラリスト薬剤師の養成を目指している。クスリのウエサカのほか、さいたま市岩槻区に2店舗、同見沼区に1店舗構える。

 内科、小児科、耳鼻科と応需する処方箋の内容がそれぞれの店舗で異なるのが特徴で、管理薬剤師になるまでの間に配属店舗と同時進行で別の店舗でも「セカンド薬剤師」として経験してもらう仕組みだ。在庫管理やピッキング作業を行う調剤助手(クラーク)も3年おきの転勤で経験を積む。

 「人事部長も現場に行かないと薬剤師の適性を判断できない」。今でもヘルプで薬局の業務を行うなど現場主義を貫く。かかりつけ薬剤師像については「治療のプロフェッショナルはいても、プロフェッショナルと患者さんでは距離が遠い。漢方や一般用医薬品を扱えて、環境衛生・処方箋、フィジカルアセスメントもできる。ジェネラリストとして、適切な医療につないで健康を応援する役割がある」。そう熱を込めて話した後に「薬剤師は好きな職業ですね」と笑う。

 細野さんは研究者志望で岐阜薬科大学に入学。「男女雇用均等法の施行前で、理系に行く女子が高校のクラスでも少なかった。理系が好きなら免許が取れた方がいいということで薬剤師になった」。卒業後に就職したのはサントリーの医薬研究所。抗生物質の研究をした。

 その後、大学の先輩である当時のウエサカ薬局上坂一社長に誘われたのを機に、25年間同薬局に勤めている。6年前に管理薬剤師を譲り、人材開発部長を務める。

 漢方相談に対応する健康サポート薬剤師、人材開発部長以外にも、日本漢方協会理事の顔やNPO法人「グランディールPh」の活動も行う。

旅先のノルウェーで。

旅先のノルウェーで。

 NPO法人のコンセプトは「地域の皆さんの健康増進の力になれる次世代の医療と介護のプロフェッショナルを育てること」。誰でも参加可能な勉強会を開催し、学会発表も行うなどウエサカ薬局内にとどまらない次世代の医療人育成に熱心に取り組む。

 蓮田市薬剤師会が行う地域活動にも参加する。「蓮田市は人口6万人で、市との連携もコンパクト。災害時の備蓄医薬品管理は市が行い、基幹薬局が災害時に駆けつける協調の仕組みがある」とし、「薬剤師会でメインで活動しているのは40代。世代交代している」と語った。

 趣味はZoomでの漢方の勉強や、温泉に行くこと、海外旅行だ。旅先では「その国に住んでいる人の動きや薬局がどうなっているかを見ている」という。「ウエサカ薬局には、“山ごもり休暇”というのがあり、4日間はその人への連絡はしてはいけない制度があるのですよ」。薬剤師が活躍するためのワークライフバランスも実践する。

目次

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