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【彩の国にいる37人の薬剤師】地元で活躍するルーキー薬剤師 寄居薬剤師会・宇野雅也さん

2024年09月10日 (火)

患者の心のよりどころ目指す

宇野雅也さん

<私ってこんな薬剤師>
地域への還元を目指す薬剤師
<かかりつけ薬剤師像>
心のよりどころになれる薬剤師
<趣味>
マラソン

 「地元の人たちと交流があり、地域密着で患者さんとも距離が近い薬局に魅力を感じて就職先に選びました」――。そう語るのが寄居薬剤師会薬局の薬剤師、宇野雅也さんだ。

 宇野さんは、2022年3月に日本薬科大学薬学部を卒業した3年目の新進気鋭の薬剤師だ。深谷市が地元で母校の深谷市立川本中学校の学校薬剤師も担う。

 高校時代の進路選びでは「警察官になれたら」と思っていた宇野さん。祖父母や親戚が多剤服用している姿を目の当たりにし、「薬を多く飲んでいる人に対して薬を減らすことができたらいいな」と思うようになり、薬剤師を目指すことを決意した。

 父の実家が寄居町で、実習先が寄居薬剤師会薬局だった。「薬剤師として育った地域に還元できる薬局」を探していた宇野さんが求める条件と見事に合致していた。実習後に「ここで働けますか」と問い合わせ、卒業後から同薬局で働いている。

 「父も寄居薬剤師会薬局に来れば『薬が全部揃う』と言っていた薬局で、前から地域密着した薬局だと知っていました。親戚も近くに住んでいるので、私が働いている時間に訪れます」

 寄居町は八坂神社例大祭や玉淀水天宮祭などが有名。「お世話になっている先生が宮司なんですよ」と横のつながりが深い寄居で働くことを楽しんでいる。

 患者とのやり取りについては「相手の方が不快にならないよう言葉遣いには気をつけるようにしています。まだ模索中ですが、高齢の方が多くて、私のことを孫のように見ていただけているなど優しい方が多いです」と笑う。

 薬局現場では、医薬品供給不足問題が長期化している。宇野さんも、処方箋を手に来局した潰瘍性大腸炎の患者に対して、その日のうちに薬を渡せずに、悔しい思いをした。

 「患者さんにその場ですぐに薬を渡せないのが申し訳なくて。薬局に在庫がないという状況で迷惑をかけたくない」

 薬剤師として責任を果たすために、別の潰瘍性大腸炎患者に対しては次に来局する日を予測し、調達しづらい潰瘍性大腸炎の薬を事前に準備することを心がけた。

 宇野さんの対応に患者も即座に反応した。ある日、その患者の母から「いつもありがとうございます」と感謝の言葉が伝えられた。患者からも来局するたびにお礼を言われるという。「気持ちとして報われました。患者さんから感謝されるとやりがいになります」。患者の来局日を事前に予測して薬を在庫しておくという基本動作を忘れずに続けている。

 自身が目指すかかりつけ薬剤師像は「薬を渡すだけではなく、生活面でも寄り添って心のよりどころになれる薬剤師」と力を込める。

駅伝チームのみなさんと

駅伝チームのみなさんと

 5年後については「寄居から離れたくないし、ここで働きたい。かかりつけ薬剤師になって指導薬剤師も担い、学校薬剤師の件数も増やしたい」と見据える。

 毎年2月に開催される寄居町の駅伝には寄居薬剤師会薬局チームとして出場している。中学・高校とサッカーを続けてきた宇野さんは、中学時代に駅伝部から招集された実力の持ち主。薬剤師でタスキをつなぐ駅伝は「楽しい」と言う。

 「週に1回は走っておきたいのですが、最近は暑くて」と来年の駅伝に向けたトレーニングもそろそろ開始する考えだ。

目次

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