インターネットにホームページをアップすると一瞬にして、世界各国どこからでもアクセスすることが可能となり、情報の共有化が成立します。現在、インターネットを媒体として、医薬品等を手にするケースはもはや一般的になり、消費者がいかに情報源を知るかが良い商品を選択するポイントとなります。
しかしながら、インターネットを媒介した情報が常に正しいとは限りません。例えば、健康食品のサイトを見てみましょう。健康食品でヤフーやグーグルを使って検索するだけで無数のサイトが存在しますが、果たしてそのサイトの内容は適正でしょうか?その真偽はどこで判断しますか?
我々がインターネット上のサイトから得る情報は、無数のサイトから検索者が任意に選択し、そして「選択をしている」ようですが、実は「選択させられている」のかもしれません。
私たちが目にする情報では検索サイトの上位にランクされた情報をより選択する傾向が強いとされ、いかに検索順位を上げるかが、インターネットビジネスでは特に重要視されています。
ところが、検索キーワードには本来購入することが出来ない商品名や広告宣伝することが出来ない単語も含まれており、一般人が本来は手にすることが出来ない商品も、インターネットでのキーワード検索の結果、検索者が商品を知り、最終的に手にすることも可能となる違法なケースも多々存在します。
知らずに違法な商品を手にするという問題はインターネットを通じた検索機能の高度化の結果、生じた弊害でもあります。
しかしながら、法はインターネット上の検索を意図した立法を行ってはおりません。法に反する違反表示をした業者を摘発することは出来ても、検索した結果、違法な医薬品等にたどり着いてしまった消費者を裁くことは現実的に困難なケースが多いようです。
また、広告する業者に対してもインターネット上の無数の情報を十分に行政の指導が浸透していない側面もありますので、結果的に我々が目にする情報には多くの嘘が含まれているケースが多い様です。
そこで、インターネット上で消費者が最も留意するポイントは「情報の真偽」をどのように確認するかです。検索の上位に表示される情報が常に正しいとは限りませんので、インターネットのサイト検索機能に頼らず、自己の判断により情報を検索する必要性を忘れないでください。
今後、正しい情報をこのインターネット薬事法を通じて発信していきますのでご期待ください。
連載担当より【緊急掲載】について : 今回は薬事法の概略説明を掲載する予定でしたが、「日米総研」関係者逮捕の報を受け、緊急に内容を変更し掲載いたしました。
連載 インターネット薬事法
- 第21回 2009年度インターネット薬事法連載再開!
- 第20回 街なかでピル販売。規制が駆け込み寺を生む。 [緊急情報]
- 第19回 薬事における流通の落とし穴 [緊急情報]
- 第18回 あなたが見ている情報に偽医者はいませんか? [緊急情報]
- 第17回 未承認薬販売と個人輸入の裏表 [緊急情報]
- 第16回 広告違反で人が死ぬ [緊急情報]
- 第15回 輸入化粧品からステロイド検出。 [緊急情報]
- 第14回 カラーコンタクトレンズ、ついに規制。 [緊急情報]
- 第13回 インターネット広告の真偽
- 第12回 インターネット販売と薬事法
- 第11回 ネット広告会社の取り組み(3)
- 第10回 ネット広告会社の取り組み(2)
- 第9回 ネット広告会社の取り組み(1)
- 第8回 普及するインターネット広告と薬事法
- 第7回 インターネット商取引と薬事法
- 第6回 薬事法の基礎 3
- 第5回 薬事法の基礎 2
- 第4回 薬事法の基礎 1
- 第3回 今こそ正しい情報を 2 [緊急掲載]
- 第2回 今こそ正しい情報を [緊急掲載]
- 第1回 はじめに
- 執筆者紹介 吉田武史氏
- 執筆者紹介 松原伸禎氏
- 「インターネット薬事法」連載開始!