気軽に購入できたおしゃれ用カラーコンタクトレンズ。
ついに、販売規制の方針が決まった。
10日、厚生労働省は雑貨として販売されているおしゃれ用カラーコンタクトレンズに対して、安全性、副作用の観点から、今後、薬事法の規制対象として取扱う方向性を示した。
正直、今まで、規制の対象で無かったのが不思議である。
どこで製造されているか不明。しかも、QMS(品質マネジメントシステム)管理下で作られているという保証が無い製品。
副作用がいつ起きてもおかしくない・・・。
そして、現実に不具合、副作用は多数起きていた。
経済産業省所管の独立行政法人「製品評価技術基盤機構(NITE)」の調査では、おしゃれ用カラーコンタクトレンズを使って、目に異常を訴えた事例が今年2月迄の約2年半で167件に上り、角膜炎や角膜びらん、失明の恐れもある角膜潰瘍等の診断名も報告されているという。また、治療期間が30日以上である重傷は21件となっていたそうである。
副作用が起きてからの行政措置。
行政対応は常に「後手」の姿勢を崩さない。
今後は、おしゃれ用カラーコンタクトレンズについても医療機器の承認を要求して規制を強化し、管理能力の無い製造販売業者が簡単にビジネス展開出来ないシステムを行政が構築し、粗悪品の流通を防ぐ法規制環境の確立を願う。
また、一方で、医療機器と規定した場合には、国内のみならず、国外からの輸入品に対しても行政規制を強化すべきである。国内の規制が強化されれば、国外からの個人輸入が増加することは想定される事態である。
当然、最終的には、消費者に対して、製品選択の知識と危機回避能力が要求されるが、何も当該案件に限ったことではない。
情報化社会において、情報収集不足は個人の危機管理能力不足と同一である。
再度、日頃の情報収集方法について確認する必要があるかもしれない。
連載 インターネット薬事法
- 第21回 2009年度インターネット薬事法連載再開!
- 第20回 街なかでピル販売。規制が駆け込み寺を生む。 [緊急情報]
- 第19回 薬事における流通の落とし穴 [緊急情報]
- 第18回 あなたが見ている情報に偽医者はいませんか? [緊急情報]
- 第17回 未承認薬販売と個人輸入の裏表 [緊急情報]
- 第16回 広告違反で人が死ぬ [緊急情報]
- 第15回 輸入化粧品からステロイド検出。 [緊急情報]
- 第14回 カラーコンタクトレンズ、ついに規制。 [緊急情報]
- 第13回 インターネット広告の真偽
- 第12回 インターネット販売と薬事法
- 第11回 ネット広告会社の取り組み(3)
- 第10回 ネット広告会社の取り組み(2)
- 第9回 ネット広告会社の取り組み(1)
- 第8回 普及するインターネット広告と薬事法
- 第7回 インターネット商取引と薬事法
- 第6回 薬事法の基礎 3
- 第5回 薬事法の基礎 2
- 第4回 薬事法の基礎 1
- 第3回 今こそ正しい情報を 2 [緊急掲載]
- 第2回 今こそ正しい情報を [緊急掲載]
- 第1回 はじめに
- 執筆者紹介 吉田武史氏
- 執筆者紹介 松原伸禎氏
- 「インターネット薬事法」連載開始!