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【インド薬業事情】第3回 インドの医薬品と知的財産権

2007年6月19日 (火)

 インドでの医薬品に関する知的財産権としては、日本と同様に、特許権、意匠権、商標権、著作権が挙げられる。最近では、新薬のデータ保護権が話題になっている。

 ニセ医薬品や模倣品に関しては、薬事規制だけでなく商標権や著作権を侵害するものとして刑事事件となる。かっては、模倣品が横行していた時代もあったが、取締りの強化と模倣品の撲滅に向けたキャンペーン等によって減少傾向にあるといわれている。

 特許に関しては、2005年改正特許法が様々な点で論議を招いている。その第一は、改正特許法は物質特許を認めたが、特許成立の要件としての「新規性」と「進歩性」に関して厳しい基準を設けているため、例えばノバルティス社の「グリベック」の物質特許(基本特許ではなく、イマチニブの誘導体に関する特許)の出願に関しインド特許庁が「特許性がない」として2006年1月に却下するような事例が発生している。これに対し、ノバルティス社が訴訟を提起したが、この行動に関し、「国境のない医師団」等が反対運動を起こしている。

 その2は、TRIPS協定の履行に関連して、1995年改正法で「メールボックス出願」(物質特許制度の施行前に物質特許を出願することーこれの受付がTPIPS協定で義務づけされていた)と「EMR」(最長で5年間の排他的な販売権が与えられること)が導入されたが、改正法では、特許成立以前の侵害行為に関しては、権利者は提訴が出来なくなった。ただ、既に製造・販売している地場企業は、先発メーカーとの間でロイヤルティーの支払いが必要となった。この為、先発メーカー、後発企業ともにどのような交渉をするかが大きな焦点となっている。

 尚、メールボックス出願は、日本企業は余り行っていないようであるが、多国籍企業が行った医薬品に関する出願は6989件、内、物質特許は3646件とのことである。

 TRIPS協定で定められているデータ保護権に関しては、外国企業の臨床試験データを5年間保護する方向で政府当局が動いているが、具体的な期日は明確になっていない。

 これまでは、インドには、先進国で特許が切れたか、切れる寸前の製品を投入するのが通例であったが、以上のような状況はあるが、日本企業も、新製品について、早期のインド市場への投入も視野に入れる時期がきているように思われる。


ザイダスファーマ株式会社
代表取締役社長・川端一博

連載 インド薬業事情




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