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【インド薬業事情】第8回 インド製薬会社のMR

2007年7月24日 (火)

 これまで述べてきたようにインドでは医薬分業が徹底しており、また一般名処方もないため、自社の製品を使用してもらうにはMRによるプロモーション活動が必須である。

 とは言え、一説には1万社以上あるとも言われるインドの製薬企業について、中小を含めた全てのメーカーのMR活動をまとめて述べることはできないので本稿においては大手の活動を中心に述べる。

 インド全国では15万人以上のMRが活動をしていると言われ、上位200社は少なくとも500人以上のMRを抱えている。とりわけ上位10社に限って言えば最低でも1000人以上のMRにより販促活動を行っている。因みにザイダス社やトレント社でも2500人前後のMRがおり、インド全土で活躍している。

 これらのMRは理系の大卒が殆どで、薬剤師は少ない。薬剤師の資格を有する者は教育的ローテーションとして1・2年MRを経験させることはあるが、その後別な部署に異動となり本社勤務等に廻されるケースが多いそうである。女性MRは少なく5%以下と言われている。これは女性の社会進出が遅れているからと言うよりも、女性が家事や子育ての中心であるためで、時間が不規則で出張も多いMRという職種に人気が集まらないようである。

 MRの活動内容としては、一般的なディテーリング活動の他に日本と同様、研究会活動やそのサポート業務を行っている。近年、特に大手メーカーは他社製品との差別化により高価格戦略を取る場合が多く、専門医を集めての研究会等は医師の人気も高い。

 ただ、研究会等を開催した後に2次会・3次会と接待がつきもので、この辺りは公正競争規約ができる前の本邦における状況とも似ている。

 活動時間は無論人や日によって異なるが、一般に朝6時から夜中の12時までと言われている。インドでは病院に勤務しながら自分でも開業している医師が多いため、どうしても訪問時間が変則的になってしまうようである。

 因みにMRの移動手段について、自動車は少なく、通常はオートバイである。インドに行かれたことのある方はご存知であろうが、都市部では交通渋滞がひどく、また駐車場の確保も難しいし、郊外や山間部に行くと道路の整備ができていないため、オートバイが一番小回りもきき便利だと言うことである。

 各社においては年に数回、地域或いは全国のMRを集めて研修を兼ねたミーティングやイベントを行い、販促戦略や方針の徹底を図っている。また、MR向けの社内誌を定期的に刊行したりして情報の共有やモティベーションを図っている。

 多くのMRを抱える企業ではMRを治療領域毎にグループ化し、それぞれのグループ毎の研修やイベントを行う等、更に専門意識を高める努力を行っている。

 従って、MRの管理も地理的な側面と治療領域の側面の双方で行っているのが現状である。

 先進諸国に駆け足で追いついてくるインドの足音が聞こえるようである。


トレント・ファーマ株式会社
代表取締役社長・黒木俊光

連載 インド薬業事情




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