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【インド薬業事情】第15回 インド製薬会社の海外展開

2007年9月11日 (火)

 インドの製薬会社の海外展開は、1970年代にAPI・製剤の輸出から始まり、2000年以降、急激に進展した。2000年の輸出額、約10億ドルが2005年には23億4800万ドルにまで伸長した。当初はロシア、CIS諸国が主な輸出先であったが、2000年代には欧米を含む全世界向けの輸出構造に転換するとともに、製剤の輸出が急激(2000年度の6億6300万ドルから2005 年度は20億1300万ドル)に増えている。(なお、インドからの医薬品関連輸出に関し、2005年度48憶1000万ドルとする資料(中間体を含む)もあるが、本稿では「インド貿易統計」HS30.04のデータによっている)ちなみに2005年度のインドからの医薬品の輸出国のベスト10は以下となっている。

順 位 金 額
アメリカ 6億8000万ドル
ドイツ 2億3600万ドル
ロシア 2億3300万ドル
英国 1億8200万ドル
中国 1億6900万ドル
ブラジル 1億3600万ドル
ナイジェリア 1億1300万ドル
カナダ 1億1100万ドル
南アフリカ 9800万ドル
10 トルコ 9400万ドル
22 日本 6500万ドル

 以上をみると、日本市場へのインド企業の取り組みがいかに遅れているかが読みとれる。

 1995年以降、インド製薬会社、特に大手のターゲットは、最大の市場である米国に向けられ、そのためのANDAやDMFの申請、取得に多くの資源が投入された。その結果、APIに関しては100原薬工場がFDAの承認を取得しており、最も多く外国DMFを取得しているのはインドの企業となっている。(2006年度の4月から12月までの承認件数474件中、166件はインドからである)。

 また、製剤に関しても、少なくも4社(Ranbaxcy, Sun Pharma, Zydus Cadila, Orchid)が15品目以上のANDAを米FDAから取得している。

 なお、2000年以降、インドの大手製薬企業は、積極的に海外で拠点づくりを始めたが、その主たる戦略は自社の販売子会社の設立および現地のジェネリック会社の買収であった。特に買収に関しては、敵対的なものは行わず、多くは、MNCが新薬主体のビジネス転換に伴う保有するジェネリック医薬品会社の売却や現地企業のオフォアーに応じたものであった。ちなみに、ドイツ・メルク社のジェネリック部門の売却に関し、インド製薬業界からはランバクシーやトレントが入札に参加したが、すくなくとも3000億円以上の投資を要した案件だけに、これらの企業の資金調達力には驚かされる。

インド製薬企業による主な海外M&A

買収会社 被買収会社 備考・買収額
Lanbaxcy イタリア Allen GSKの子会社
スペイン Mundogen (同上)
ルーマニア Terapia(No.1 GE会社) 3億2400万ドル
日本 日本医薬品工業
ベルギー Ethymed
フランス RPG Aventis
ドイツ Basics
中国 JV
Dr. Reddy’s ドイツ BetaPharma 4億8000万Euro
メキシコ Roche メキシコ工場 5900万ドル
UK BMS Laboratories, Meridian Healthcare
Torrent ドイツ Heumann Pharma ファイザー子会社
Nicolas Pilamal UK Avecia Pharmaceutical 950万GBP
UK ファイザーMorpeth 事業所
Wockhardt UK Walls, CP Pharma, Pinewood
ドイツ Esparma
Zydus Cadila ブラジル Nikko Pharmaceuticals
日本 日本ユニバーサル
フランス Alpharma
SUN アメリカ Caraco

 インドの製薬企業の国際展開において大きな特徴は、欧米だけでなく、ロシア・CIS諸国、中東、アフリカ、ブラジルといった日本の企業が未だ拠点の設置していない国や地域に現地販売会社や支店等を設置して事業展開をしていることである。


ザイダスファーマ株式会社
代表取締役社長・川端一博

連載 インド薬業事情




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