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【インド薬業事情】第7回 インドの医薬品マーケティング戦略

2007年7月17日 (火)

 3000~4000社以上あるといわれているインドの製薬会社のマーケティングを概括的に説明することは困難であり、本稿では、主に国内大手や外資の動きを中心にして説明することとする。あしからずご了承いただきたい。

製品戦略

 国内大手は、多くの疾患領域で幅広く製品を揃えるという百貨店方式をとっている。このため500品目以上の製品を有しているのが普通である。その中で、自由に小売価格を設定でき利益率の高い薬価規制の受けない製品(いわゆるノンスケジュール品)に、開発、販売面で注力してきている。最近では、市場競争力のある欧米や日本で申請中や販売されている新製品の取り込みが大きな目標となっている。他方、外資は、基本的には製品のライフサイクルの終盤(特許切れ寸前かその後)にある製品の市場投入が主であるが、幾分、市場への投入の時期が早まっているように思われる。

価格戦略

 近年の富裕層・中間所得層の拡大に伴い、ノンスケジュール品について高めの価格設定をし、非価格競争を展開する動きが加速している。これに対し、新規GE品の承認権限が地方政府に移管された後に登場するいわゆる後発GE品は、積極的な価格競争を仕掛けている。

プロモーション戦略

 外資、内資を問わず、プロモーション活動の中心にあるのはMRによるコールと情報活動である。薬局で処方箋どおりの処方・販売しかできない状況下では、医師の処方が製品販売の命運を決するため、ブランドの認知(インドのGEは基本的には固有のブランド名を持っている)とそれに基づく処方構築がMRの最大の任務となっている。特に、中央政府の承認を得たいわゆる新規GE品については、早期の普及とそれを支える情報提供が激しくなってきている。最近、エーザイの現地法人は、「アリセプト」について、疾患啓発、患者啓蒙を主体としたインドでは画期的なプロモーションを展開しているが、その成功を祈りたい。

流通戦略

 流通インフラの遅れ、回収リスクの高さ、流通業者の多さ、取引金額の小口化と取引回数の多さ、病・医院と流通業者との癒着、複雑な税制等から、外資にとってインドでの流通戦略とその実施は大きな課題である。このため、多くの外資は、国内大手との提携を選択している。因みに、内資は、富裕・中間層の患者の多い大都市の私的病院を主なターゲットとし、中小は、それらの周辺や地方都市、公的病院をターゲットとした流通戦略をとっているといえる。

 以上のように、日本とインドの医薬品マーケティングには多くの共通点があり、インドは日本で得られた知識やノーハウを生かせる可能性の高い市場といえる。


ザイダスファーマ株式会社
代表取締役社長・川端一博

連載 インド薬業事情




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