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【インド薬業事情】第5回 インドの薬価

2007年7月3日 (火)

 現在、インドで製造・販売されている医薬品の薬価は、1995年に改正された医薬品価格規制令(Drug Price Control Order, DPCO)によって規制されている。

 現行DPCOでは、価格規制を受ける品目として、原薬(74品目)とその指定製剤を挙げている。これらの品目は、いわゆる必須医薬品といわれるものが大半である。

 価格規制は、原薬についは、国家医薬品価格局(National Pharmaceutical Pricing Authority, NPPA)が、その最高販売価格を設定し、また税引後利益の上限を定めている。

 また、指定製剤については、小売価格は以下の方式によって決定される。

小売価格=(原材料費+加工費+包装原材料費+包装費)×(1+マークアップ率)+物品税額

 尚、マークアップ率は、現在、100%となっている。

 上記以外の原薬およびその製剤は、NPPAの価格コントロールを受けない。しかし、NPPAは価格規制を受けない製品について理不尽な価格上昇がある場合、規制する権限を与えられているが、十分な効果を挙げているとはいえない。また、価格規制を受ける原薬を含む製剤であっても、原薬量を変更することにより規制対象から逃れる方法があり、十分な価格コントロールがされていないのが実情である。

 現在、価格規制を受ける指定製剤のインド国内の全医薬品販売額に占める割合は、約25%と予想されており、多くの製品は、価格規制の対象となっておらず、自由価格制がとられている。

 また、市販されている製品についての薬価(特に自由価格制の製品)は、メーカー間の差が激しく、大手メーカーの製品は、中小企業の製品の2~3倍程度が通例となってる。例えば、ラニチジン150mg錠10錠では、最高薬価(小売価格)32ルピー(102円)に対し、最低薬価は9ルピー(29円)である。

 2005年12月28日に公表された国家医薬品政策草案(Draft of National Pharmaceutical Policy, 2006)では、規制対象品目を現行の74品目のほかに、国家必須医薬品リストに収載されている354品目に拡大すること、価格規制の方法として価格交渉制(特に新薬について)などの追加、標準的なマークアップ率の100%から150%への引き上げ、特定の製品については200%を認めること等が提案されている。しかし、この草案には多くの方面から賛否や論議が提起されており、修正が検討されている。この草案の帰趨が今後のインドでの薬価や医薬品ビジネスに大きく影響するであろう。


ザイダスファーマ株式会社
代表取締役社長・川端一博

連載 インド薬業事情




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