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【インターネット薬事法】第13回 インターネット広告の真偽

2008年06月26日 (木)

 インターネット媒体を通じて購入する、いわゆるネット通販を利用する場合、皆さんは何を基準に商品を選びますか?

 表示広告、製品写真、体験談、値段、ポイント付与・・・・。

 様々な要素で購入検討をされると考えられますが、実際にネット通販を利用する場合、(店舗で見てきた商品をそのまま発送してもらう場合を除き、)基本的には「現物を実際に見ることが出来ない」のが前提です。

 たとえ、一度商品の実物を店舗で見て、気に入ったものをPC経由で発注しても、「見てきた商品と同じものが届く」という保証はどこにもありません。

 もし、届いた商品が本物そっくりの偽物だったらあなたはどうしますか?

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 現在、不当景品類及び不当表示防止法[昭和37年5月15日法律134号](以下、「景品表示法」という。)に違反する不当な表示(優良誤認)に対する排除命令が多く見受けられます。

 景品表示法第4条第1項第1号に「優良誤認表示」の規定があります。

 優良誤認表示とは、実際にサービス・商品の品質について、実際より優れていると虚偽の広告をしたり、競争業者が提供するサービス・商品よりも特に優れているわけではないのに,あたかも優れているかのような虚偽の広告をしたりする行為を言います。また、わざと虚偽の表示をする場合に限定されず、間違って表示行為をしてしまったケースでも、優良誤認表示に該当する場合は、景品表示法に抵触したことになります。

景品表示法 第4条第1項第1号(優良誤認表示)
「商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と競争関係にある他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示すことにより、不当に顧客を誘引し、公正な競争を阻害するおそれがあると認められる表示」

 つまり、インターネットで見る商品・サービスは、インターネットという限られた環境で得られる情報のみを参考にして判断されるため、十分な規制が存在しないと、消費者は簡単に騙されてしまいます。(逆に事業者の立場であれば、簡単に騙せます。)そこで、公正取引委員会が不当な表示に対する調査を実施し、広告行為の差止めや同様の広告が再び行われないようにする為に必要な事項等を命じるというシステム(排除命令:景品表示法第6条)によって、公正な競争を確保し、一般消費者の利益を保護しています。

 しかしながら、インターネット上の情報量は膨大であり、広告違反として事件になるものは氷山の一角です。つまり、日々増え続ける情報に比例して不当表示・不当広告も増え続けているといっても過言ではありません。

 そこで、一般消費者として商品購入の際には、インターネットの利便性とその限定された情報環境を考慮した上で、購入決定をする必要があります。また、実際に市場ではどのような商品が違反事例で挙がっているかを検討することも、その際の一つの参考情報として有用です。


薬事法対策ホームページ研究室

吉田法務事務所代表 吉田武史
http://yakuji.net/

ノーブルウェブ代表取締役 松原伸禎
http://www.nobleweb.jp/


連載 インターネット薬事法



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