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【彩の国にいる37人の薬剤師】点ではなく線のように継続した服薬指導を行う薬剤師 上尾伊奈地域薬剤師会・米坂由可里さん

2024年09月17日 (火)

患者の状態観察し声かけ

米坂由可里さん

<私ってこんな薬剤師>
OTC医薬品を提案できる薬剤師
<かかりつけ薬剤師像>
その患者の体調変化をずっと見続けられる薬剤師
<趣味>
コンサート、ライブ鑑賞、ディズニー

 「1回だけの点ではなく、線のように継続した服薬指導を意識しています」――。上尾伊奈地域薬剤師会が推薦するのは、伊奈オリーブ薬局の米坂由可里さん。かかりつけ薬剤師として、患者に対して薬の服薬状況から健康状態を把握し、サポートしている。

 伊奈オリーブ薬局がある伊奈町は、人口4万5000人のうち1万人は高齢者で4分の1を占める。3世代が同居という家庭も珍しくない。

 「在宅医療に移行する患者さんも多いので、今後、介護が必要になるかも意識しながらフォローしています。患者さんが元気なうちにご家族など相談できる方がいるかも聞いています」。力を入れているのは、未病・予防。食生活から必要に応じてOTC医薬品を提案している。

 米坂さんは川口市で生まれ、東北医科薬科大学薬学部を卒業し、埼玉県内で病院薬剤師を経験した。

 「患者さんに触れる機会が少なく、病棟業務か夜勤の救急外来が中心でした」。その後、患者と接する機会を求めて薬局に転職。結婚、出産などで休職したが、現在は同薬局で勤務している。

 「『医師には言えないけど、薬局では何でも話せるので安心できる』という言葉をかけていただいたり、『処方箋は全部ここに持ってくるわ』と言っていただけるのは、とても嬉しいですね」。患者からの言葉が薬剤師としての達成感や、やりがいにつながっている。

 患者の顔色や発語、椅子から立ち上がる時に膝や腰はどうなのか、手は震えていないかなど、こまめに観察することを心がける。症状に悩む患者には、以前に比べて少しでも改善しているポイントを探し、「声の張りが良くなってきましたね」との声かけで患者を元気づけ、励ます。

 米坂さんが考えるかかりつけ薬剤師は、「その患者の体調変化をずっと見続けられる薬剤師」だ。「担当させてもらっても記録だけでは読み取れない部分がある。患者さんの変化に寄り添い、薬剤師が聞かなくても患者さんを理解できる関係性が理想です」

 薬剤師会が実施している勉強会にも参加する。伊奈町には日本薬科大学があり、大学と企業の産学連携から様々なことを学べる環境がある。薬薬連携や医師・歯科医師・ケアマネージャーなどとの多職種連携の勉強会も行う。「他の職種の方と話をすると、患者さんの日常生活が見えてくる」。患者への理解にも役立っているようだ。

ライブやコンサートで

ライブやコンサートで

 趣味は演劇やコンサートに行くこと。「一発勝負のプロのパフォーマンスはエネルギーがもらえる」という。好きなアーティストは、Mr.Children。特に「365日」「HERO」「HANABI」はお気に入りの曲で、家族でのライブ鑑賞も楽しみになっている。

 ディズニーも好きだ。相手への思いやりや配慮など、おもてなし精神に感動する。顧客視点は患者視点ともつながるという。

 「子育てをして薬剤師を離れている頃に『薬局で待たされている人は何を考えているのだろう、何分待たされると長いと感じるのだろう』など考えた。患者さんが待っているのに「お待たせしました」だけでいいのか。その感覚はこれからも大切にしたいです」

目次

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