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坂本美佐のボストン便り No.11「勤務通信簿!」

2005年1月21日 (金)

新年を迎えたMGH。大きなリースがホリデーシーズン中は至る所に掲げられ、新年を迎えるまで飾られています。

新年を迎えたMGH。大きなリースがホリデーシーズン中は至る所に掲げられ、新年を迎えるまで飾られています。

 Massachusett General Hospital,(MGH)で再び働きだしてから1年経ちました。なんのことはなく翌年度の仕事を迎えるのかと思っていましたら、勤務評価の面接があったのです。以前2年間MGHで勤務していた頃の1年目は日米医学医療交流財団の奨学生と言うことでMGHから給与はいただいていませんでしたし、2年目から給与をいただいたもののその翌年には帰国してしまい、勤務評価を正式に受けたのは今度が初めてでした。

 勤務評価表をもとに、Supervisorとの1対1の面接がありました。評価表にはこの1年間での勤務状況に対して複数項目があり、それぞれに対して5段階評価がされていてまるで小学校時代の通信簿のようです。ただ評価を渡されるだけなら本当に通信簿ですが、評価によって翌年度の給与の昇給率が決まるのですから、生計にかかわってくると言っても過言ではない感じです。この評価に対して自身が納得できなればその旨を申告できますし、双方が納得したならサインを行うので、まるでプロスポーツ選手が行う契約更新を行っているような感じでした。

 評価は10項目あり、各項目には仕事に対する知識力、生産性(仕事量や確実性)、協調性(同僚や他部署の人に対する応対)、信用・柔軟性(仕事の時間やスケジュールを守る、スケジュールの変更や超過勤務に柔軟に対応)、仕事への向上心(講習会などへの参加量や、業務改善や効率上昇のための上司への具申)などがありました。しかも項目によってその重要度が異なりますので、その重要度により何倍かが加算され、それぞれの評価点が集計されて総合点が算出されます。

 例えば向上心に比べ生産性の方が重要度は高く、向上心の評価の重要度は2で、生産性の評価の重要度4になっていました。ですから向上心と生産性の評価が同じ4でも、重要度が違いますので、向上心のポイントは8、生産性のポイントは16となります。しかもその加算配分も全体を通せばある値になるように決められていて、各部署が平等になることにも驚きました。

 家庭の事情等で超過勤務ができない場合は信用・柔軟性のポイントは低くなりますが、仕事の知識が高い、仕事量が多い、間違いが少ない等の評価がされれば、知識力と生産性のポイントが高くなり、総合点を補うことが可能ですので、とても理にかなってると言っても過言ではありません。

 また、なぜその評価が個人にされたかとの説明が割と細かく記載してあり、日本人的には読んでいて恥ずかしくなるような持ち上げ過ぎ!と言う表現だけでなく、足りない点も客観的に目にするわけですが、その表現は「……だからダメ」と言うのではなく、「……をすればもっと良くなる」と言う、個人を尊重するような表現でした。アメリカ人は褒めながら人を教育すると言いますが、子供だけでなく大人にも同じようなことをするのだなと実感しました。

 評価が給与に影響するわけですが、給与の昇給率は上限が定まっているものの、総合点によって差があるそうで、最低は0%からで実際に0%の同僚もいるそうです。一人一人に対する詳細な評価を行う上司は大変ですが、日本のように一律に全員が上がるわけではないので、ある意味では平等だなとも思いました。

 さて、私の評価ですか?。それは「ひ・み・つ」ということでお願いします。


 Medical Academy NEWSで好評連載中「坂本美佐のボストン便り」は、マサチューセッツ総合病院の臨床検査技師である坂本美佐さんからの「お便り」です。病院での仕事はもちろん、“フェンウェイ球場で起こるイチローへの大ブーイング”など、硬軟おりまぜた幅広い話題で楽しめますのでご覧ください。

坂本美佐氏 1988年藤田保健衛生大学卒。藤田保健衛生大学病院、愛知県赤十字血液センターなどで輸血検査に携わり、現マサチューセッツ総合病院輸血部。

連載 坂本美佐のボストン便り




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