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坂本美佐のボストン便り No.14「サマータイム」

2005年04月11日 (月)
ボストン市内のコープリースクエアに建つトリニティー教会。19世紀後半に建立されたロマネスク様式の建物で、外観だけでなく内部のステンドグラスも大変美しいです。ボストンに春を告げるボストンマラソンのゴールはこのコープリースクエアです。

ボストン市内のコープリースクエアに建つトリニティー教会。19世紀後半に建立されたロマネスク様式の建物で、外観だけでなく内部のステンドグラスも大変美しいです。ボストンに春を告げるボストンマラソンのゴールはこのコープリースクエアです。

 先月まで寒い寒いと書いていましたのに、いきなり「サマータイム」とは驚かれるかも知れませんが、4月の第一日曜から待ちに待ったサマータイムの始まりです。

 アメリカでは春分の日は休日ではないですが、Firstday of Springとして暦の上では春が始まったことになります。とは言っても、今年はその後にも雪が降り夏どころか春さえまだ先という感じです。それでも復活祭(イースター)も迎え、今度はサマータイムの開始と着実に冬が遠ざかっているのを実感しています。

 サマータイムの正式名称はデイライト・セイビング・タイム(Daylight Saving Time)と呼び、文字通りに明るい時間を有効活用しようとするものです。4月の第一日曜日から時計の針を1時間進め、例えば前日までの朝5時はこの日から朝6時になります。

 日が長くなってきたので毎朝6時の出勤時は既に明るくなっていたのですが、サマータイム開始直後にはまた暗い時間に出勤することになってしまいます。でも、そのかわりに夜8時になっても外は明るいので、なんだか得をした気分になります。

 サマータイムの始まりや終わる前日には毎度のように、針を進めるのか戻すのかを考えこんでしまうのですが、当日の朝起きるとビデオやFaxなどの電子機器の時計が自動的に調整されていますので、実は支障なく移行できています。いざとなったらテレビをつければ確認できますが、前夜は目覚まし時計の調整を忘れないようにしないといけません。

 テレビといえば、私がまだ日本にいた頃に放映されていた「トリビアの泉」が英語吹き替え版として昨秋から放送されています。あのボタンはHeybuttonとして、音声は「Hey, Hey」となり、語感もいけています。何故か「風雲たけし城」も細かい突っ込みまで英語に吹き替えられ放映されています。

 友人宅へ行った際に、「これは日本の番組だよね?これおもしろいよね」と言いながら大笑いしているアメリカ人を目の当たりにして、恥ずかしいようなうれしいような複雑な気分でした。随分昔の番組ですので、ビートたけしも東もまだ若く、出演者の髪型も時代を感じます。

 日本のアニメはこちらでは一つのジャンルとして確立されていて、ポケモンはもちろんのこと、遊戯王も子供たちに人気のようです。同僚が「キャンディ、キャンディ」の主題歌を完璧な日本語で歌ってくれた時には、「ホントは日本語を話せるんでしょ?」と聞いてしまったほどに驚きました。

 「Shall we dance?」や「Ring Two」など映画もアメリカ版リメイクが上映され、異国で日本が認められた様子を知るのはホントにうれしいです。職場の皆も日本に興味を持ってくれ「おはよう」「こんにちは」などのあいさつを覚えてくれます。おじぎの習慣が抜けない私を真似て、同僚たちがおじぎをする姿は微笑ましく、かわいく感じます。


 Medical Academy NEWSで好評連載中「坂本美佐のボストン便り」は、マサチューセッツ総合病院の臨床検査技師である坂本美佐さんからの「お便り」です。病院での仕事はもちろん、“フェンウェイ球場で起こるイチローへの大ブーイング”など、硬軟おりまぜた幅広い話題で楽しめますのでご覧ください。

坂本美佐氏 1988年藤田保健衛生大学卒。藤田保健衛生大学病院、愛知県赤十字血液センターなどで輸血検査に携わり、現マサチューセッツ総合病院輸血部。

連載 坂本美佐のボストン便り



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