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坂本美佐のボストン便り No.25「働きざかり」

2006年3月11日 (土)

Freedom Trail。約4キロに及ぶ赤い線をたどって歩けば、アメリカ独立に関した史跡・旧跡を巡ることができます。Freedom Trailに沿って次号より写真をお送りします。

Freedom Trail。約4キロに及ぶ赤い線をたどって歩けば、アメリカ独立に関した史跡・旧跡を巡ることができます。Freedom Trailに沿って次号より写真をお送りします。

 ボストンでお世話になっている日本人の方がいらっしゃるのですが、3月末には帰国されます。60歳前で気力も体力も充実しておられ、まだバリバリと仕事ができそうなのですが、日本の企業からの派遣なので定年退職に伴う帰国とのことです。

 日本には定年制度があるので、まだまだ働けそうな方でも退職されるのはもったいない気がします。一方、アメリカでは基本的に定年退職はないそうです。その理由を知人に尋ねましたら、年齢による業務差別につながるからだそうです。

 実際に現在の職場では70歳を過ぎた臨床検査技師がいます。彼女は私が前回在籍していた時(1998~2000年)は、フルタイム雇用でしたが、現在は週2日のパート勤務です。ほかにも60歳過ぎの臨床検査技師が数人、若い人たちと同じようにフルタイムでバリバリ働いています。

 以前もお伝えしましたが、Massachusetts General Hospitalでは輸血検査、生化検査、血液検査等の検査室単位での雇用なので、日本のように本人の意志に関係なく行われる人事異動(微生物検査のベテラン技師が生化学検査に異動するなど)はありません。

 就職時から自分の関心がある分野で仕事ができる上、知識や技量も蓄積されていくので長年勤務しやすいですし、その人の知識や経験が職場に必要とされるのだと思います。

 昇進についても「年功序列」なんてありませんし、本人の意志も尊重されます。Supervisorになりたくないという声も多く聞かれ、現在の職場では、役職なしで勤続20年以上の50歳代が多いです。このようなことは他の施設でもあるようで、新聞等の求人広告ではSupervisorの募集を目にします。

 前述のように長年働く人もいる一方で、大学卒業後2~3年働いてから、医学校や看護学校へ進学する若い人もいます。ここ2年程の間に看護学校へ1名、医学校へ3名が進学のため退職しました。その内の2人は進学してから数ヵ月後、週3日のEvening shiftのパートや土・日だけ働くパートとして、学校に通いながら輸血部で再び働き始めました。

 学生アルバイトの感覚で臨床検査技師をするという感じかもしれませんが、ウエイトレスなどのアルバイトより責任が重い分、給料はいいですし、卒業後の就職時にその経験が考慮されることもあるようです。このような若者はアメリカでは多く、働くことで学費を貯めるだけでなく、進学や就職へのアピールにもなるとのことです。

 この3月で40歳を迎える私は、日本では働き盛りの年齢と言えますが、ここアメリカではいったい何歳ごろが働き盛りなのか、分からないところです。


 Medical Academy NEWSで好評連載中「坂本美佐のボストン便り」は、マサチューセッツ総合病院の臨床検査技師である坂本美佐さんからの「お便り」です。病院での仕事はもちろん、“フェンウェイ球場で起こるイチローへの大ブーイング”など、硬軟おりまぜた幅広い話題で楽しめますのでご覧ください。

坂本美佐氏 1988年藤田保健衛生大学卒。藤田保健衛生大学病院、愛知県赤十字血液センターなどで輸血検査に携わり、現マサチューセッツ総合病院輸血部。

連載 坂本美佐のボストン便り




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