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坂本美佐のボストン便り No.38「患者となって」

2007年5月26日 (土)

Fenual Market Placeは1826年に建てられた建物を利用し、現在はレストランや多数のお店がひしめき、週末には大道芸人も多数パフォーマンスして、ボストンで最もにぎわう場所です。

Fenual Market Placeは1826年に建てられた建物を利用し、現在はレストランや多数のお店がひしめき、週末には大道芸人も多数パフォーマンスして、ボストンで最もにぎわう場所です。

 患者として米国の医療を体験しましたので紹介させていただきます。

 以前もお伝えいたしましたが、米国では緊急時以外は簡単に医療施設へかかることができません。各自が購入している医療保険によって異なりますが、加入者の多いHMO型の保険では先ずPrimary Care Physician(PCP)と呼ばれる担当医を受診して、その後PCPから専門科に診察の予約を入れます。

 専門科への診察日までには数週間かかることもあり、その間に必要と思われる血液検査、超音波検査や内視鏡検査などをPCPの判断で行っておきます。超音波検査など予約の必要な検査は、予約後に注意事項が同封された検査予約表が郵送されます。検査結果はPCPから本人に郵送で送られます。私の場合、PCPも専門科も同じMassachusetts General Hospital(MGH)内でしたので、検査結果はコンピュータで確認可能で、専門科の診察時に検査結果を持参する必要はありませんでした。

 採血時も含め検査での本人確認は、名前と生年月日を患者本人が述べる方法で行います。超音波検査やレントゲン検査時は患者IDバンドも着用し、その確認も行われました。

 専門科の診察日が決まると、予約通知書とともに問診票が郵送され、問診票の質問に記入して診察日に持参します。問診票の内容は住所や連絡先、家族構成、加入医療保険、本人および血縁関係者の既往歴、アレルギーの有無と種類、使用している薬、現在の症状、痛みの頻度や程度等詳細で、記載に窮する項目もあり、事前送付は助かります。記載した問診票を持参することにより医師との診察時間を有効に使うことができるという説明文も同封してありました。

 専門科の診察時、まず最初に看護助手から「氏名と生年月日を言って下さい」と問われて本人確認後、血圧測定・体重・身長測定を行います。次いで看護師が入室し、予め記載した問診票を元に、当日の症状について受け答えを行い、看護師が退室した後、やっと真打ち登場ならぬ医師の診察です。

 問診のカルテ入力は看護師が行うためか、医師は診療のみに集中し、目を見て会話や質問が可能で、丁寧に診ていただいた気持ちになりました。その後専門科の中でも細分化されたどの専門医が主治医にふさわしいか決定し、いよいよ治療の開始です。

 各種検査も診察も予約制で別々に行い、自分の都合のいい時間を選択でき、それぞれが短時間で終了するので仕事への負担が少なくて済む一方、PCPの診察から専門科の最終診断までに時間がかかる印象を持ちました。検査予約が複数あり、忘れてしまうかもと心配しましたが、検査日や受診日の2日前に予約確認の電話があり助かりました。

 超音波検査日前、同僚に「Hideo(夫の名)と一緒に行くでしょ?」と聞かれ、「一人で行く」と答えると、「私が行ってあげようか?」と言われ、私の英語力を心配しているのかなと思いながらも、申し出を断って一人で行ってみると、ほとんどの人が誰かと一緒に来ていて驚きました。夫も「なぜ一緒に行かないんだ?」と上司に不思議がられたそうです。

 専門科の診察日前にも同僚から「Hideoがついて行かないなら、私が行く」と言われ、夫も「今回は同伴するだろうね?」と上司から念を押されたそうで、診察は夫婦同伴で行きましたら、やはり待合い室は同伴の方ばかりでした。同伴者は貴重品をみてもらうためかな……?未だに不可解ですが、これも文化の違いでしょうか。


坂本美佐氏 1988年藤田保健衛生大学衛生学部卒。藤田保健衛生大学病院、愛知県赤十字血液センターなどで輸血検査に携わり、現マサチューセッツ総合病院輸血部・臨床検査技師。

連載 坂本美佐のボストン便り




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