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坂本美佐のボストン便り No.41「手術しました」

2007年8月19日 (日)

USSコンスティチューション号。1797年に進水し、幾多の海戦でも沈まなかった不沈艦です。航行可能な世界最古の現役艦としてボストン湾に浮かび、アメリカ海兵さんが中を案内をしてくれます。左端に見える塔は、フリーダムトレイルの終点であるバンカーヒル・モニュメントです。

USSコンスティチューション号。1797年に進水し、幾多の海戦でも沈まなかった不沈艦です。航行可能な世界最古の現役艦としてボストン湾に浮かび、アメリカ海兵さんが中を案内をしてくれます。左端に見える塔は、フリーダムトレイルの終点であるバンカーヒル・モニュメントです。

 7月17日に子宮筋腫摘出の開腹手術を受け、19日に予定通り退院し、自宅療養中にこの原稿を書いています。

 手術前電話インタビュー、主治医からの説明、同意書へのサインも終え、前日の食事制限も守り、手術(入院)当日を迎えました。朝6時に手術患者待合室に到着。すでに多数の患者さんとご家族がいらっしゃいました。受付後、名前を呼ばれ「名前と生年月日は?」との質問に加え、「今から行われる事は何ですか?」と問われました。これは、患者が手術内容を認知しているかの確認、患者取り違え防止のためだと思います。

 持ち物票に着ている服を含む全ての所持品を記入し、付き添い家族の連絡先、Surgical Family Waiting Roomの案内を夫と共に受けました。そして手術前準備室に案内され、靴を含め全ての所持品を自分の名札がついた袋に入れ、手術患者着へ着替えます。再度名前と生年月日を問われ、患者認識バンドを腕と足に付け、血圧測定、心拍数、簡単な問診、そしてもう一度「今からあなたが行われることは?」を聞かれました。

 朝6時50分頃に「手術室に運びます」とベッドごと移動開始です。手術室の中がどうなっているのか、ワクワク。ところが上向きに寝ているので、天井しか見えない!46部屋ある手術室を見るせっかくのチャンスなのに、残念。手術を受ける身で、こんなことを思う私はやっぱり医療従事者だからでしょうか。

 廊下にはいくつもブースのような場所があり、その内の一つに到着。すぐに「手術外回りを担当する○○です」と看護師の自己紹介を受け、ここでも「名前と生年月日」「今から行われること」を問われ、次いで「麻酔医アシスタントの○○です」と麻酔医アシスタントの登場。ここでまたまた、「名前と生年月日」「今から行われること」を答えて本人確認です。

 さらに体調、服用薬、病歴、アレルギーの有無など詳しく聞かれ、手術前電話インタビューの内容と比較確認。そうしていると「麻酔を担当する○○です」と、なんと担当の麻酔医は日本人!この不安な時にまさか日本語で会話できるとは想像もしていなかったので、感動してしまいました。麻酔医から「輸血の可能性は低いですが、生命にかかわる場合には輸血を行いますが、承諾しますか?」と再度輸血に対する同意確認を受けました。IVラインを確保後「準備終了、さあ、行きましょう」と扉を開けたらそこが手術室でした。

 そう、目に入ったブースはそれぞれの手術室に附随している一時待機所だったのです。ありゃりゃ、ちょっと心の準備が…。周りの様子も見たい!と思っている間に、うとうと…。マスクの人に「まだ眠いの?」と聞かれた記憶の次に、モニターの音と横に誰かが座っている気配で気が付きました。私のベット横にじっと座っていたのは看護師で、常にデータチェックしていました。他にも多数ベットがあり、それぞれに看護師が付き添っている様子。ここが手術後急変や出血がないか、2時間程付きっきりで管理する回復室でした。「そんなにずっと居なくても…」と思いながらしばらく眠っていると「病室に移動します」と午後2時半頃、病室へ到着。

 入院中の食事には驚きました。流動食メニューでしたが手術日の夕食からジュースやアイスクリームが出て、手術翌日の夕食からは普通食メニューでした。流動食や普通食でメニュー表が違いますが、夕食、朝食、昼食それぞれのメニューがあり、好きな食事を選ぶことができました。例えば5種類あるスープからクラムチャウダー、15種類のメインディッシュからチキンサンド、10種類のデザートからチョコレートケーキ、飲み物メニューからコーラ、まるでレストランのようです。

 選ぶのは楽しかったのですが、私の胃はもたれて、「おかゆが食べたーい」と心の中で叫んでいました。そんな私の横で夫は「意外に美味しい!」とつまみ食い。

 手術(入院)受付から退院までの手順がシステム化され、まるでベットと言うベルトコンベヤーに乗っているかのような印象を受けましたが、それぞれの課程で、しつこい程の本人確認と、いくつものチェックポイントがあり、安心感がありました。

 初めてMGHを訪れた際、ここが病院?と日本の病院と違和感を覚えたことを思い出しました。パジャマ姿や入院着を来て院内を歩いている入院患者さんの姿をあまり見なかったからです。経験してわかりましたが、入院中は病棟からほとんど出られる状態ではないのです。少し歩けるようになったら退院といった具合に、入院期間が日本に比べて断然短いアメリカならではでしょう。子宮筋腫摘出を腹腔鏡術で行う場合は、日帰り手術になることもあるそうです。


坂本美佐氏 1988年藤田保健衛生大学衛生学部卒。藤田保健衛生大学病院、愛知県赤十字血液センターなどで輸血検査に携わり、現マサチューセッツ総合病院輸血部・臨床検査技師。

連載 坂本美佐のボストン便り




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