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坂本美佐のボストン便り No.26「笑う門には……」

2006年4月11日 (火)

ボストンの中心地に大きな緑が広がるボストンコモンの歴史は、1634年まで遡り、独立戦争にも縁があります。その一角にある観光案内所が、フリーダムトレイルの出発点です。

ボストンの中心地に大きな緑が広がるボストンコモンの歴史は、1634年まで遡り、独立戦争にも縁があります。その一角にある観光案内所が、フリーダムトレイルの出発点です。

 夫の研究室でのことですが、人事課の方が訪れて簡単な健康に関する自己評価と、その解釈について説明があったそうです。

 週にどれくらい運動をしますかとか、コーヒーは1日に何杯飲みますかというような日常生活に関する身体的質問以外に、ストレスを自己管理できていますか?(と言われてもどうやって?と、思うのですが)、自分の感情を口に出して表現していますか?などの精神的項目に関する設問が多かったそうです。

 人事課の方が言うには、身体的な健康管理は運動や偏食予防などで管理しやすいのだそうですが、精神的な健康管理は気付かないことが多く難しいので、今回の健康チェックは主に精神面に関して重点を置いているとのことでした。

 いくつか参考になるアドバイスがありましたので、紹介させていただきます。

  • 15分程はお気に入りの音楽を聴きましょう。横たわり、目を閉じて音楽を楽しめば、気を鎮めて心拍も落ち着かせてくれます。
  • 静かな場所を見つけ、座り心地のよい椅子に座わりましょう。問題点や気になっている事柄を忘れ、目を閉じて頭をスッキリさせましょう。
  • 帰宅してすぐ着替えることができるように、着心地が良く、落ち着ける服を出勤前に用意しておきましょう。帰宅後に着替えてから数分はリラックスし、気分が落ち着くまで留守番電話や電子メールのチェックもしないようにしましょう。
  • 笑うように心掛けましょう。笑っている間は心を落ち着かせる物質が体内で分泌され、気持ちも鎮める作用があるので、心より笑うことはとてもよい作用があります。

 と、言われてみればその通りのことばかりですが、現実生活では帰宅してからボーッと何もせずにいることなどなかなか叶わないので、だからこそ敢えてそのような時間を作ることが大事ということなのでしょう。

 その話を聞いて、新規職員トレーニングの際に説明があったEmployee Assistance Program(EAP)について思い出しました。EAPとは、職員の悩みを聞き、解決の道をつける、いわゆる悩み事相談室のようなものです。

 どのような悩みに対応しているかというと、仕事のストレス、仕事と家庭の両立についてなど、仕事に関する悩みはもちろんのこと、子育てや介護や親戚付き合いのような家庭内の悩み、家庭内暴力といったことまでSupportしてくれます。その部署への相談は無料で、ライセンスを持ったコンサルタントが月、水、金曜日の朝8時から17時まで、火曜と木曜は18時まで応対してくれるそうです。

 EAPについての説明の際の「職員が心の悩みを持ったまま業務を行うことは、病院全体の業務にとってマイナスに作用する」との言葉を思い出しました。夫の職場での話やEAPのSupportで、Massachusetts General Hospital(MGH)では職員のメンタルヘルスも重要視しているということを改めて実感しました。

 MGHでは患者の満足だけでなく、職員の満足も謳い文句にしていますが、職員の安定した精神状態は、良い患者サービスにつながるということでしょう。


 Medical Academy NEWSで好評連載中「坂本美佐のボストン便り」は、マサチューセッツ総合病院の臨床検査技師である坂本美佐さんからの「お便り」です。病院での仕事はもちろん、“フェンウェイ球場で起こるイチローへの大ブーイング”など、硬軟おりまぜた幅広い話題で楽しめますのでご覧ください。

坂本美佐氏 1988年藤田保健衛生大学卒。藤田保健衛生大学病院、愛知県赤十字血液センターなどで輸血検査に携わり、現マサチューセッツ総合病院輸血部。

連載 坂本美佐のボストン便り




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